「白猫さん、どうです僕のお家!」
ここはごみ置き場からちょっと離れた、子猫が寝床にしている
廃工場の屋根裏。子猫は白猫が旅のノラ猫ということを聞いて
是非自分の家に泊まってもらいたいとお願いしたのです。
その好意を笑顔で受けて、白猫と子猫は廃工場の屋根裏部屋にいるのです。
「すごくいいところだね、冷たい風も雨も入ってこないしね」
お外はもうカラスがお家に帰れと騒ぎ出す時間です。
「白猫さんはお目々が悪いの?」
「この瞳のことかい・・・?」
子猫はふと自分が何か悪いことを聞いた気がしました。
でも、そんな様子を知ってか知らずか白猫は
笑顔で答えました。
「生まれて少しの間は見えていたんだけどね、ちょっと昔事故に遭った時に
目が開かなくなっちゃったんだ・・・」
「不自由ではないんですか?」
白猫は笑っていいました。
「不自由あまりしてないよ、音と匂いでなんとなくわかるしね。」
「いじめられない?僕は・・・前足がひとつ、生まれた時からないの。
そのせいで・・・僕は他の猫達にはいじめられて・・・」
子猫はうつむいてしまいました。その瞳からは涙が溢れているのでしょう。
子猫の足元にちいさな水溜まりが一つ、二つと数を増していきました。