
ここは草原の真ん中、もうお日様がおうちに帰っていく時間になりました。草原はまるで赤い絨毯のように延々と続いていきます。子供たちはそれぞれのうちへ帰り、ご飯を食べる時間です。お母さんが迎えにきてくれる子、友達と一緒に連れ立って帰っていく子、一人で寂しくとぼとぼと帰っていく子・・・みんなそれぞれの歩みで家へと帰っていきます。
しかしその草原の真ん中で一匹の子猫がいました。その子猫は雪のように真っ白な体と、夕日のような真っ赤な瞳をもっていました。どこから来たのでしょう、みんなが帰るこの時間になってもぽつんとたたずんでいました。
そこへひとりの男の子が近づいてきました。
「きみ、こんなところでどうしたの?きみは帰らないの?それとも迎えに来てくれるお母さんがいないのかな・・・・」
子猫は男の子をみつめていました。
「それなら、ぼくといっしょだね・・・」
男の子はどこか寂しげに子猫に語り掛けました。
「・・・ねぇ、きみよかったらお家にくる?」
すると子猫は、「うん」とでも言うかのように一言だけ
「あおん」
と鳴きました。男の子は顔をほころばせ、うなずくと子猫を抱きかかえ、お家へと帰っていきました。