その日もいつもと変らない、幸せな日々でした。そう何一ついつもと変らない・・・

今日は男の子の通院の日でした。いつも子猫はその間はお散歩にでて、風や草木と戯れながら夕日が登る頃に男の子の元へと帰るのが習慣でした。子猫はいつもと同じように、原っぱで遊んでいました。その時です、いつもならもっと地面に近づいてから登るはずの夕日さんが、まだお昼だというのに、もうお空に浮かんでいました。子猫はなんだか胸騒ぎに襲われました。急いで男の子の所へと駆け出しました。

風さんよりも、もっともっと速く走りました。その姿は、白い毛が眩しいくらいに輝いて、まさに光そのものでした。

子猫が男の子の家に着くと、あたりは凄い人の集まりでした。ちっちゃい子猫は、踏み潰されそうです。

激しい人の声、毛が焼かれるほどの熱気・・・その中に聞き覚えのある声が聞こえてきました。

「うちの子がぁ!まだ、うちの子が中にいるんです!お願いです、お願いします助けて下さい!!」

涙を顔一杯に浮かべて、男の子のお母さんが、叫んでいました。子猫はさとりました、まだあの熱い炎の中に、男の子がいることを・・・子猫は思い出していました、拾われてきた時のことを、おいしいミルクやチョコレートの味、やわやわのタオルの感触を・・・そして何より、その全てに思い出される男の子の優しい

微笑みを・・・

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