木曾の美漆(ウルシ)
700年の技を伝える漆塗。堅牢優美な色と形を味わう。
ウルシの原料:
落葉高木ウルシの樹液です、ウルシの樹皮に削り鎌で溝を作り、樹液を採取する方法を”漆掻き”といいます。真夏に採取されたモノがよい品質です。取れた樹液は乳白色ですが、空気にふれると酸化して黒変して堅くなるので、昔から塗料や接着剤として用いられてきました。漆の硬化には一定の温度が必要なために気候の合った日本に優れた漆工芸技術が生まれた と言われています。
ウルシの木
ウルシ科の植物は約450種ある
ヤマウルシ亜属(Trichocarpae)aヤマウルシ,bフシノキ
ウルシ亜属(Venenatae) aツタウルシ,bヤマハゼ,cウルシ,dハゼ
原産地は中国南部、チベット
日本では北海道から宮崎県まで広く栽培されている
落葉の広葉樹、高さ5〜6メートル、葉は奇数羽状複葉で、長さ5〜10センチ、およそ7〜11の小葉をつけ、小葉は 楕円形あるいは卵状楕円形全縁、先は短く尖り、支脈は斜めに出てほぼ平行、裏面に毛があり、霜により朱色、裏面は黄色になる。雌雄異株で5〜6月に花を付け10月ごろ実を付ける、樹皮は灰白色
ウルシ液の成分:
主成分はウルシオール Urushiol C
21
H
32
O
2
(80%)ゴム質含窒素物生漆には水分15〜25%を含んでいる、ウルシ木から採取した生漆を精製したもので淡黄色、粘り強い液体、 沸点210〜220度、空気中で黒変し、さらに粘っこくなり、凝固する、
漆液の加工:
なやし:漆液を均質にする。
くろめ:水分をとる方法
さらに油を加えたり顔料を加えたりして加工する
なぜウルシは堅牢優美な塗料・接着剤か
乾燥したあとできるウルシの塗膜は化学変化に強く、数千年以上の歳月にも耐える。
ウルシは塗料としてばかりでなく接着剤としても使われていた。
.ウルシは空気にふれると酸化反応が進み主成分ウルシオールが重合して高分子となり固化する。空気中に水分がないと 重合反応が起きないので、ウルシムロ(風呂)、湿潤環境の中で乾燥させる。接着とは被着体に接着剤が塗布され、濡れる ところから始まる。
濡れ
液体を凝集させる表面張力(液体は表面をできるだけ小さくしようとする傾向を持つ、例:水銀がころころする) よりも大きな引力が、固体との境界面で作用すると濡れという現象が起こります。 ウルシ塗りはこの濡れという現象を利用したものです、ウルシや天然樹脂などは、液体と固体の境界的性質を持った 物質で濡れ現象を起こすからです、単なる液体の濡れでは一時的に接着するだけですぐ剥がれる。
接着作用は固体を固体たらしめる化学結合(共有結合、イオン結合、金属結合)よりゆるやかな分子間力と総称される引力による ものです。固体も液体も通常は電気的に中性に物質であるが、接近することで分子に部分的に電荷が誘起され静電引力が発生する、またこのほかにファンデル・デル・ワールス力というわずかな引力も作用する。
このようにウルシは液体と固体の境界的性質を持った有機物質で、濡れという現象なくして接着、ウルシ塗りはありえない、 こうした物質の性質を研究することをレオロジーといい、物理学、高分子化学、生物学、→分子科学、分子生物学と生物、DNAを 分子、原子のレベルで統計力学計算(エントロピー)で解明しています、人間の生命も濡れ場からです。
木曾漆器(KISO LACQUERWARE)
木曾漆器(KISO LACQUERWARE) は木曽福島町八沢が発祥といわれています。現在は木曾平沢が生産地になっています。錆土,檜など材料にめぐまれています。特徴は檜、栃、欅等の良木の木地を生かした生活漆器が作られている。木曾平沢では重箱、お盆などの板もの、奈良井ではめんぱ等の曲げものを手がけている。
木曾の伝統工芸品
「木曾春慶」
「木曾堆朱」
「塗り分け呂色塗り」の3技法です
乾漆の杯
乾漆は布に漆を重ねて重ねてつくったものです。
乾漆素地は漆下地布類を貼着塗付したる漆器の素胎にして、指物および 挽物において成形至難なる形状の素地を容易に制作する事ができる。 石膏で雌型原型を作成して脱離剤を塗り麻布や古蚊帳等を糊漆等で接着 する工程を繰り施工して、予定の厚層になったら十分に乾固して素胎し 後は下地等の工程は通常の漆器と同じです。
一客乾漆の盃を使っていますが大変軽く他の 漆器同様に唇に触れる感覚が良い。
沈金
中国から渡来した技法の沈金、蒔絵など装飾技法は製品を完成させるまで、少なくとも20工程100以上もの手数を要する。伝統工法を守って生まれる高級品や芸術品はもとより、現代感覚を取り入れた作品や伝統工法を守って生まれる高級品や芸術品も誕生しています。
木曾春慶
木曾堆朱
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木曾漆器 木曾海老屋通販逸品カタログ
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