HP200LXの改造に関する考察と実際
Last modified: Tuesday, 20-Apr-99 17:10:06 GMT
[HP200LX IMAGE]

HP200LXの可能性を探る




◆動作クロックに関する情報
メーカー出荷時点でのHP200LXの動作クロックは7.91MHzである。クリスタル自体は動作クロックの2倍の物を使用している為、実際に使用されているクリスタルの周波数は15.82MHzのものだと推測される。
HP100LXが販売されていた頃、NIFTYのFMODEMフォーラムの面々により動作速度の解析がなされ、Hornet(HP100/200LXに使用されているintel製80186CPU)の動作モードに1.5倍速と2倍速のモードが有ったのが発見される。
2倍速モード時に必要なクリスタルの周波数は31.64MHzの為、FMODEMの有志により31.64MHzで動作するクリスタルが特注で作成された上で「世田谷廢人クラブ」のステッカー・画面表示修正用のドライバ入りFD・取付方法説明書をセットにして販売され、「簡単・正確に出来るクロックアップ法」として好評を博する。
ほぼ同時期、関西方面では近似値として汎用の32MHzクリスタルを使用し、ドライバソフトにより補正する方法で2倍速動作を実現していた。改造法はFMODEM製クリスタルと同様に、標準装着のクリスタルを外して入れ替えると言う簡便な物であった。
或る時、FHPPCフォーラム内で2倍速以上の動作速度を実現させるべくHC-49U型の36MHZクリスタルを使用し、ケースを削って本体内に実装し動作させると言う企画が立ち上がる。当初は動作機種が非常に限られていた上に、システム自体も非常に不安定な物であった。私自身もその企画に乗って同形式のクリスタルを探しに行くが、「入荷即売り切れ」の状態が続いていた為、たまたま寄った千石電商で購入したHC-49U/S型のクリスタルを使用し実装した処、場所の問題などを難無くクリアした為にFHPPCに報告を上げた処「カタログ上でしか存在していなかったモデル」らしく、その後HC-49U/Sを使用した2.27倍速改造が主流になるが、本来規定されていない動作速度の為シリアルやIr回りの不具合を回避する為にFMODEMクリスタルと36MHzクリスタルを2個実装し、スイッチに依って切り替える方式が流行する。
非公式な記録では、外部電源を注入して40MHzで動作したとの話が在るが、詳細は明らかにされていない。


◆内蔵メモリに関する情報
通常HP200LXには2MBの内蔵RAMが載せられている、最近は4MB実装のモデルも販売されているが、過去は2MBモデルが標準であった。実装方法としてはマザーに1MB+ドータ1MBの2MBモデルが先に有り、その後マザーに2MB実装されたモデルの後にマザー2MB+ドータ2MBの4MBモデルと言う順になっている。
HP200LXの2MBモデルを使用する際、2MBの内640KBがDOSの動作領域として使用される為に、実際使用可能な容量としては約1.3MBとなる。
メモリ容量増加に関する話の最初はやはりFMODEMで1+1MBモデルのドータボードを取り外し、特製の4MB実装ドータを組み込み実質5MBとしたのが最初である。やはりこちらも「世田谷廢人クラブ」のステッカーと日本語化キット用EMS修正FDのセットで販売される。
その後個人でマザー1MBに汎用の4MBメモリチップを空中配線で繋いで5MBにしたモデルが出て来たが、雑誌記事が確認出来なかった為にその後の消息は不明。
4MBモデルが販売された頃、ドータに2MBチップを載せる為の空きランドが有るのが発見され、そこに18160互換の2MBチップを載せると実装6MBになることが確認された為、18160互換チップによる6MB化が主流になる。同時期T.N.S.により4MBと16MBのドータが同人ハードとして有明のコミックマーケットにて売り出される。
FHPPCでは18160互換チップに拠るメモリ増設を機に、メモリチップと本体ドータコネクタ部のアドレスの解析が進み、2MBモデルの亀々方式に拠る4/6/8MB実装モデルが出て来る事となる。
解析はその後も進み結果32MBを実装するに至る。
私の使用しているLXは亀々で4MBになっています。


◆筐体に関する情報
筐体は強化プラスティック製である。
私自身の手掛けた筐体に関する改造としては、「イヤホンジャック増設」「筐体塗装」「黒弐百式化」位である。
「イヤホンジャック増設」は、LXMIDIと言う内蔵BEEPを使用してMIDI(GM/FORMAT 0)が聞けるソフトが発端となり、外部スピーカー/ヘッドホンを使用して綺麗な音でMIDIを楽しむ為に内蔵のスピーカーの配線に割込みを掛け、イヤホンジャック向けに配線を出した上で筐体に穴を開けて外部イヤホンジャックを付けてしまおうと言う改造である。
私の場合、本体に加工をせず、当時使用していなかった外部電源用電源コネクタを取り外し、その場所にイヤホンジャックを組み込んで見た。
配線は特に凝った事をせず、下ケースからマザーに向けて伸びているスピーカーのラインに配線を巻き付け、そのままイヤホンジャックに接続するだけに留めたが、スピーカーの許容容量の違いに起因したらしく、イヤホンジャックにイヤホンを挿すと丁度良く内蔵スピーカーが死んでくれたのを覚えている。
筐体の塗装に関しては、最初プラカラーで重ね塗りをした後にクリアを吹いて完成させる予定だったが、電池カバーを塗装して耐久試験をした際にクリアがすぐに剥がれて表面が汚くなってしまうと言う問題に見舞われた為、下地処理をしっかりした後にプラサフを何度か吹いた上で自動車用の塗料を使用して見る事にする。
塗装の仕上がり自体は非常に綺麗に仕上がり、表面のモールドを埋めた為にHP200LXとは似ても似つかない代物に仕上がってしまったが、塗膜が薄かった為に少々使用しただけで表面に傷が入り始めたので、標準の状態に戻す。

「黒弐百式化」とは、HP100LXの筐体を使用し、マザーボードのみ入れ替えで200LXと同等の性能を備えた黒い筐体のLXを作成しようと言う計画で、旧くはHP200LXが日本国内に入荷した即日に差し替えた人が居るほどの簡単な改造法である。
私も多分に漏れず、中古で購入した100LXの筐体を使用して「黒弐百式」として使用していたが、100LXの弱点である「首折れ」が発覚した為に再び標準状態に戻さざるをえなくなる。


◆OSに関する情報
HP200LXのROMに搭載されているOSはMS-DOS5.0の英語版である。
100LXの頃はフリーソフトを使用して日本語化するのが主流であったが、200LX発売とほぼ同時期にオカヤ・システムウェアより「HP200LX日本語化キット(以下JKIT)」が発売された為に、JKITを使用して日本語表示環境を構築するのが主流になる。
通常JKITがインストールされるディレクトリは「A:\JKIT」なのだが、私の場合は名称を変更して「A:\DOS」に導入して有る為に、他人のLXの環境設定をしているとパスの設定で大概引っ掛かってしまうと言うオマケまで付いてしまう。
JKITには日本語化環境構築に必要なソフトとFEP(WX2)とエディタ(MIFES)しか付属していない為、PC-DOS5.02/V、PC-DOS6.3/Vより抜き出したソフトや個人的に必要であろうソフトその他をJKITと同じディレクトリに入れて有る為に、通常の構成と若干違っている。以下にA:\DOSディレクトリに内容を書き出して見る(一部省略)

 Volume in drive A is 弐号環境   
 Directory of A:\DOS

KKCFUNC  SYS      4335 91-10-15    5:00
HARDBOOT COM       473 92-10-01    5:02
REPLACE  EXE     21602 93-02-01    5:02
CHKDSK   COM     19384 93-04-24    5:02
CHOICE   COM      2100 94-04-15    6:30
SERCTL   COM       238 94-10-25    1:00
LXANSI   EXE      4366 94-10-25    1:00
ASLEEP   EXE      5408 94-11-21    1:00
LXCTRL   COM      3292 94-11-23    0:17
EXKEY    COM     10908 95-02-24    0:22
LXDSPS   COM     12096 95-12-25    1:10
LXVM     COM      3432 95-12-25    1:10
EMSINST  EXE     13856 95-12-25    1:10
LXDSPD   EXE     24149 95-12-25    1:10
LXEMM    EXE      8107 95-12-25    1:10
LXFBUF   EXE      2816 95-12-25    1:10
LXFONT   EXE     11872 95-12-25    1:10
LXIME    EXE      8534 95-12-25    1:10
LXJEX    SYS      4444 95-12-25    1:10
CLKUP31M SYS       625 96-01-08   10:45
CLKUP31  COM       566 96-01-08   10:46
EXKEY    INI       293 96-05-10   13:15
CLKUP36C SYS       896 96-08-22    7:40
SM       BAT       188 96-09-03   22:32
LXM      BAT        38 96-09-13    4:57
CTL      BAT        37 96-09-13    5:06
INTERSVR EXE     29690 96-10-06    0:27
LXFONT   INI       173 98-05-27   18:42
LXDSPD   INI       130 98-06-09    4:50
       31 file(s)     194048 bytes
                     7929856 bytes free



……で、此処まで書いて HP200LXハードウェアバイブルを
読んで貰った方が早いと 気が付いた。

と言うわけで、詳細はソフトバンクから出ている本に詳しいです(笑)

written by K.Toda@Tokyo.japan
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