カイは、同キャラ対戦を終えて安堵していた。 「私の部下が、私を見間違えるとでも、思いましたか?」 ――だいたい、そんなようなことを、自分と同じような顔をした、もう一人のカイと名乗る男に告げた。 「おっと、それはどうかな、カイ=キスク?」 例の、ニヒルな笑みを口元に浮かべながら、そうソルが反論する。 「ソル……。あなたぐらいでしょうね、私の元部下で私の言うことをまったく聞かなかったのは」 「オレは坊やの部下になった覚えはねぇ。……ところで、どうだ、そこのカイと並んで立って本当に部下が見分けてくれるかどうか勝負するってのは」 「のぞむ所です!」 カイは負けず嫌いな性格が災いしていちいちソルの暇つぶしゲームにひっかかってしまうのに気がついていない。 「――よーし、それじゃ、そこの部下其の壱、どーだ?」 呼ばれたのは、ヨウだった。 「あ、どーも団長。お元気そうですね」 とかなんとかいいながら、ヨウは緑色のほうのカイを選んだ。 ソルもヨウも、カイをからかうのが好きなだけなのだが、カイは相当ショックだったらしい。 「……ヨ、ヨウさん……それは偽者です」 今にも泣きそうなカイを、二人は面白がって眺めていたそ〜な。 |
Last update- 0/ 7/23