COLUMN
平家みちよのつれづれなるままに

第4回 夏休みのアルバイト

平家みちよが働く全ての人々に
エールを贈る月イチ連載の
メッセージコラム。
彼女からの心のこもった
メッセージを受け取ってネ!

 学生の皆さん、さぁ、いよいよ夏休みがやって来ま
す。その休みを利用してアルバイトをする人もいる
でしょう。初めてバイトをする人、バイトの経験が
ある人、それぞれだと思いますが、今回は生まれて
初めてアルバイトをする女の子のストーリーを書い
てみます。
 私は17歳の高校生。恥ずかしくて皆には秘密だけ
れど、私には“シンガー”になる大きな大きな夢が
ある。この夏、オーディションを受けるつもりだけ
ど、それには思ったよりもお金が必要。親はその事
に猛反対だから、自分でお金を貯めないと。そこで
思い立った私が探して選んだバイトは“ゴルフ場の
清掃員”。この仕事は、普段学校でも掃除の時間があ
るし、ちょちょいのちょいだと思っていたけど、実
際は力仕事が多くきちんと掃除していないとやり直
しとやたらチェックが厳しい。男性のお風呂場の掃
除の時は、シャンプーなんかが切れたら大変。今時
お父さんともお風呂に入らないのに、つかつかとシ
ャンプーを渡しに行かなくちゃいけない。そこに同
僚のおばさんがやって来て「若いんだから頑張りな
さいよ」と笑顔で言うと、小さな体で業務用の掃除
機を片手で運んで行った。私だったら両手でも無理
だろう。しかし、どれもこれも初めての経験なので
大変だけど、今までの生活では感じた事のない責任
という充実感と、お客さんが喜んでくれたりするこ
とが嬉しかった。そんな時、いつも笑顔のおばさん
が「私の孫が将来、女優になりたくて今レッスンに通
っていてお金がかかる。それをどうしても出してあ
げたくて働いているんだよ」と手にお孫さんの写真
を持ちながら…。いつも肌身離さず持っているのだ
ろう。「あんたも歌手になりたかったら頑張りなさい。
いつか必ずご両親も応援してくれるよ」と。今回初
めてバイトをしてみて、目的はオーディションの為
の資金調達だけど、働く大変さや、普段知り会えない
人たちからたくさんの事を教えてもらった気がする。
 社会に出る前に自分の力でお金を手に入れる事が
出来るのがアルバイトです。普段、学校で感じる事
の出来ない責任感や達成感を感じられる。そして、
アルバイト先で知り合った人たちの事はいつまでも
心に残ります。アルバイト=お金じゃなくてもっと
大切な事をもらえる様な気がします。


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