Michiyo Heike

平家みちよ

つんくプロデュース第2弾の新曲「愛の力」は、
R&Bテイストが漂う、ちょっとオトナな仕上がり。
果敢なチャレンジによって誕生した新生・平家みちよに大注目!

「テレビ番組の撮影でモーニング娘。たちとハワイ
に行ってきたんですよ。私の黄色5は罰ゲームが多
くて大変だったんですよ。肌も陽に焼けて、こんな
に黒くなってしまって」
 というほど黒くなったとは思えないが、最近、な
かなかのハード・スケジュールが続いている平家み
ちよ。先日のハワイでの仕事も自由な時間はそれほ
どなかったようだが。
「T&Cボンバーと買い物はしましたよ。あと、ホ
テルにジャグジーがあって、プール、ジャグジー、
ビールみたいな(笑)」
ああ、なんだかそういう光景が想像できちゃうキ
ャラクターの彼女。大人、いや大人の入口に立って
いる女性という感覚は彼女と話していていちばん感
じること。ニュー・シングル「愛の力」もカップリ
ング曲の「都会の夜」も、そんな彼女の今を彩るの
にピッタリな雰囲気だ。
「新曲 <愛の力> は、最初に聴いた時“本当に私が
歌うの?”っていう感じがしました。今まで私がま
ったく歌ったことのないタイプの曲で。日常的に聴
くことはあっても、歌うことはないと思っていたよ
うな曲なんですよね」
 昨今のヒット・チャートを賑わせているR&Bテ
イストを含んだ(どちらかというと「都会の夜」のほ
うがその傾向だが)、黒人音楽テイストを強く匂わせ
るこの曲。ヒップホップ調のリズムは、たしかに平
家みちよの今までの楽曲パターンからは想像しにく
い。しかし、これは新たなチャレンジとして、とて
も有意義なものであるだろう。リズムに特徴ある作
品だが、一聴して、やはり彼女にふさわしい、歌を
聴かせる内容であることがわかる。
「プロデューサーのつんくさんからは“平家の歌を
聴かせたい、ノリより歌で勝負”と言われました。
歌唱力アップ、実力アップ作戦だと」
 そういえば、前回のシングル「ワンルーム夏の恋
物語」はラテン系、サンバのリズムを取り入れて、
彼女にとっても“新しい歌もの”へのチャレンジと
いうニュアンスが感じられた。今回、ひと皮むけた
新しい平家みちよを形作るためのステップとしても
面白い楽しみ方ができるだろう。
「新しい曲調だったからレコーディングは面白かっ
た。でも、今まででいちばん難しかったです。これ
1曲を歌うのに2日かけて。1曲に2日使うのは初
めてだったんですよ。それだけ頑張ったし満足でき
る歌がうたえたと思いますね。自分が持ってるもの
は全部出すことができたんじゃないかな」
 歌詞(作詞もつんく)のほうは、実にラブラブな世
界が展開されている。愛し合うふたりにとって愛の
力があればオールOK、というなんともうらやまし
い世界が感じ取れる。
「いいじゃないですか、私にとっても理想ですよ。
今回の歌詞は“コンビニに行って〜”みたいな、具
体的な状況設定がないから、どんな人にもあてはめ
て聴いてもらえるんじゃないかな」
 そう、理想的なのである。愛のパワーですべて乗
り切れるなんてステキだ。でも、それって、なかな
か現実にはありそうでありえないんじゃ?
「そんな甘いものじゃないっていうんですか? 大
人って嫌ですねぇ。もっと夢を持たないと(笑)」
 たしなめられてしまった……。
 もうひとつ、歌詞にはおおいに夢を語る男が登場
する。"たしかにこういう男っているな"と、男の側
からもピンとくるが、平家みちよの場合は?
「私が夢を語っちゃうほうなんですよね。ずっと語
っていたいタイプだから、恋愛するとこの歌詞の逆
になるかもしれない。でも、こういう男の人ってい
いですよ。自分にだけ夢を語ってくれるなら。すご
くうれしい気分になれるじゃないですか」
 彼女にとっても、理想的な世界が展開された歌詞
なのである。
 そして、今回のボーカリスト・平家みちよの歌唱
の聴きどころは?
「ミドル・ボイス(地声と裏声の中間)をずっと使っ
てみたくて、今回使うことができたんです。ずっと
勉強してきたことが生かされたんでうれしいし、ぜ
ひ聴いて感じてほしいですね」
 さて、カップリング曲「都会の夜」だが、こちら
は最近の彼女の歌詞によく描かれている女性の日常
風景が心を刺激してくれる。
「ひとり暮らしが寂しい女性ですよね。でも、私は
もう3年も東京で暮らしてきて、だいぶ慣れちゃっ
たからな。でも、今の自分じゃなく3年前の自分は
確かにこう思ってたし、よくわかります。もうちょ
っと若い頃の私って感じ(笑)」
 そう言って笑う彼女だが、現在は“Hello!
Project”のライブ・リハーサルで大変なの
だ。実は、"苦手なダンスを克服!"することが、こ
の夏の大きなテーマなのかもしれない。

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