私はみんなの笑顔のために歌っていくんだ!

平家みちよ

NEW ALBUM
For ourself〜Single History〜

9月13日に、これまでの活動の集大成ともいうべきアルバム『For ourself〜Single History〜』
をリリースしました!今回はこのシングル・ヒストリーに辿り着くまでの精神的な部分をクローズ・アッ
プしながら、彼女自身による『For ourself〜Single History〜』の全曲解説をお届けします!!
                                   TEXT●TOMONORI NAGASAWA

 オーディション番組「ASAYAN」が主
催した『シャ乱Q女性ロックボーカリス
ト・オーディション』。「決勝へ残ったみ
んなが(GET)を自分のものにしようと
頑張っていた」と言うように、課題曲と
して指定された「GET」を誰が歌うかを
当時は全員で競いあっていた。その難
関を突破して“この歌をGETする栄冠”
を勝ち取り、晴れてデビューの道を飾っ
たのが平家みちよだった。
 オーディションでのグランプリ獲得後、
間髪入れずプロのボーカリストとして
の道を歩み始めた彼女だが、当時はま
だ高校3年生。しかも東京と三重の実家
との往復の日々で、考える余裕もない
ほどの忙しさを経験。そしてデビュー
3ヵ月後には、早くもセカンド・シング
ル「卒業〜TOP OF THE WORLD〜」
を、翌月にはファースト・アルバム
「Teenage Dream」を発売。目まぐるし
い日々の中、無事に高校を卒業。晴れて
音楽のみに専念できる環境が整い上京
してきた彼女だったが……。
「“これで歌に専念できるぞ!”と思って
たら、以前より仕事にめまぐるしさが
 
なくなり、少し不安になってしまった
んです」
 と語るように、本人の強い意志とは
裏腹に、平家みちよを取り巻く状況は
けっして追い風ばかりではなかった。
それでも彼女はこの当時、平均3〜4ヵ
月ペースで、「ダイキライ」「だけど愛し
すぎて」「アナタの夢になりたい」と、伸
びやかに歌いあげる“平家みちよスタ
イル”を築き上げた楽曲をリリースし
続けてきた。そんな彼女に訪れた初め
ての大きな挫折……。
「一生懸命活動してるのに、なかなか次
のシングルを出せる状況が見えてこない。
“一体、今の私はどこのポジションにい
るんだろう”と、出口の見えないトンネ
ルへ紛れ込んだかのように、あのころ
(99年当時)はすごく悩んでいたんです」
 そんな苦悩の時期にようやくつかんだ、
シングル「scene」の発売。その作品を
引っさげての、初の本格的な全国イン
ストア・イベント。
「私、これまで生きてきた21年間の人生
の中で、最高に感動したのが、そのとき
のインストア・イベントだったんです。
 
じつは<だけど愛しすぎて>を発売した
ときにも、モーニング娘。と一緒に出演
映画の上映会&ライブで全国を廻った
んですけど、そのときも、それまで熱狂
してたお客さんが私の歌が始まると同
時に席へ座ってしまうような状況にな
って、悲しい想いを経験してたんです。
だけど、たまたま目に入った1人の男の
子が、私の歌に合わせ一緒に口づさん
でくれてたんです。それを見たときに、私、
涙が止まらなくなっちゃって。そのと
きと同じ感動が<scene>の全国インス
トア・ライブのときにもたくさんあっ
て……。ホントそのときからですね。“私
はみんなの笑顔のために歌っていくんだ”
と強い決意を固められたのは」
 平家みちよの心の中へ芽生えた大き
な転機。その決意が具体的な形となっ
て現れ始めたのが、黄色5への参加であ
り、つんくプロデュースで発売した「ワ
ンルーム夏の恋物語」「愛の力」だった。
今回リリースされたシングル・コレク
ション『For ourself〜Single History
〜』には、そんな平家みちよの激動な活
動の歩みがすべて集約されている。

all songs Michiyo's
self explanation!!
GET
オーディションのころからずっと歌い続けてた曲
なので、身体に馴染んではいたんですけど、やっ
ぱりレコーディングで歌ったときはすごく緊張し
ましたね。「GET」は“平家みちよの看板”とも
言うべき代表曲で、今でもとても大切にしている
曲なんです。

 
scene
私の中で一番思い出に残っている曲が、この
「scene」なんです。これまでの3年間の活動を
振り返ったとき、この楽曲が中心となって、活動
も気持ちも大きく変動していったんだな〜って
強く感じてます。この歌が私を(精神的に)一番
大きく成長させてくれました。

卒業〜TOP OF THE WORLD〜
この歌との出会いのため、L.A.に住むリチャード・
カーペンターさんのもとを訪れたことを思い出
します。L.A.って『ビバリーヒルズ青春白書』を
見てたころからの憧れの地だったから、行けたこ
とで大感激。まことさんの書いてくださった詞も、
胸にジーンとくるいい詞ですよね。

 
myself
最初は「scene」じゃなく、「myself」がシング
ルになる予定だったんです。しかもこの曲は、私
が生まれて初めて書いた詞だったんですよ。「み
んな自分のことをどう思ってる? まだまだやり
たいことあるでしょ?」って想いを、みんなに考
えてほしくて書いたんです。

ダイキライ
高校を卒業して“歌へ専念するぞ”と強く気持ち
を入れ変えてた時期にいただいた楽曲です。レ
コーディング前、はたけさんにアカペラで歌を聴
いてもらったり……。また、私の東京でのお母さ
んとでも言うべき、作詞家の牧穂エミさんとの出
会いもこの曲からでした。

 
ワンルーム夏の恋物語
つんくさんの初プロデュース曲です。つんくさん
とは、ホント戦いました。私もデビューしたての
新人じゃないぶん、「そこはどうしても譲れない」
と断固たる態度を示したり(笑)。楽曲自体はと
ても楽しげですけど、私としては戦いつつ信頼を
築き上げた歌なんです。

だけど 愛しすぎて
牧穂エミさんの書く“大人の恋愛”。そして、は
たけさんの作る“激しい楽曲”という、当時の私
のスタイルが一番しっかりと出てた作品です。当
時は、この曲を持ってモーニング娘。と一緒に全
国映画ライブを実施したんです。この時期、初め
ての挫折も経験しました。

 
愛の力
前作で、つんくさんという私が尊敬すべき新しい
師匠と出会って、そして戦いあって強い絆を作れ
たんですね。この歌自体は、本当に難しく悪戦苦
闘したんですけど、今回はつんくさんを全面的に
信頼してたぶん、精神的にも安心してレコーディ
ングに臨めた楽曲でした。

アナタの夢になりたい
これまでマイナー調の楽曲が多かったんだけど、
この曲では打って変わってアップテンポで明る
いメジャーな楽曲にチャレンジしました。この歌
のため、小淵沢のスタジオでの3泊4日の合宿レ
コーディングも経験しました。大好きな人たちに
囲まれ、キャッキャ騒いでました。

 
黄色いお空でBOOM BOOM BOOM
今回は、私1人ですべて歌っています。黄色5の
ころから歌い慣れてる曲だったから、レコーディ
ングは楽……と思ったら、“なっちやルル”の歌
い方の癖が染みついちゃってて、逆に私らしく歌
うことができず、違った意味でオリジナリティを
出すのに苦労しましたね(笑)。


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