The Ichiban 1061 | ARTIST INTERVIEW

平家みちよ

“平家の歌しだい”って言葉が
プレッシャーで

つんくプロデュース第2段となるニューシングル「愛の力」。つんくファミリー
の中でもずば抜けた歌唱力を持つ彼女が、自身の新たなる可能性を切り拓く。聴
けば聴くほどビックリな平家のボイスパワーにご注目!   ●Text/中村美里

――今度はこういう曲で来るのか!と
正直、ビックリしましたよ。
平家 私も驚きましたね (笑)。“すご
くカッコイイ曲だ”とは聞かされてた
んですけど、私が想像していたカッコ
良さとは違うテイストの曲だったんで、
“あ〜、こういうカッコ良さもあるん
だ”と。それと同時に“この曲を歌う
にはちょっと早すぎるんじゃないか
な?”とも思って。今の自分の実力で
は難しいというか、まだ未熟だなぁっ
て気がしたし、いろんな人に“平家の
歌次第で決まる"みたいに言われて……
レコーディング前、すごいプレッシャ
ーがありました。ただ、歌い手として
こういうやり甲斐のある曲を歌えるの
はうれしい、とも思いましたけど。
――平家みちよといえば、ロックテイ
ストのヴォーカルを思い浮かべる人が
多いと思うんですけど、これはそのイ
メージを覆すんじゃないかな。
平家 確かに今までこういう曲調はな
かったですね。ファルセットを使うの
は初めてじゃないんですけど、ミドル
ボイスを使うのは初めてだし、テイス
ト的にもR&Bっぽい感じがするから。
――スンナリ歌えましたか?
平家 いや〜、難しかった (笑)。1回
聴いただけじゃ歌えなくて、何回も何
回も聴いたんです。でも細かい譜割が
どうしてもわからず、つんくさんの指
導で1から細かくやっていきました。
――つんくPは何と言ってました?
平家 いっぱいありすぎて。最初、私
はつんくさんが歌ってくれた仮歌をコ
ピーするような感じで歌わなきゃいけ
ないのかなと思って、できるだけそれ
に近づけるような歌い方をしたんです
ね。そしたら “もっと自分の色を出
せ”っていうニュアンスのことを言わ
れて。マネをしなさい、つんく節で歌
いなさいっていうプロデュースの仕方
ではないんだ、っていうことを前シン
グルに続いて再確認しました。
――自分の色を出せ、って簡単なよう
で実は一番難しいことじゃない?
平家  そうですよね。逆に考えると
“自分の個性を消すな”ってことだと
思うんですけど。ちょっとやりすぎた
っていうくらいオーバーに自分でやっ
てみろ、ってつんくさんは言いたかっ
たのかもしれませんね。
――自分の個性って何だと思います?
平家 張った声質っていうのは、私を
知ってくれてる人みんなが思う“平家
みちよの持ち味”なんだろうなって。
――でも、この歌はその個性をある意
味、消さなきゃならないわけでしょ?
平家 うん、だからメリハリなんでし
ょうね。声を張らなくても迫力を出す
ことはできると思うんですよ。低音を
響かせることとか。この歌の一番下の
音は、キレイに出る私の音域の中で一
番下なんで。そういうことを意識して、
全ての音譜を大事に歌うことを心がけ
ました。
――この夏は、つんくファミリーが総
出演する“ハロー・プロジェクト”ツ
アーで、全国各地をまわるとか。
平家 "ハロー〜"に参加するのは3回
目なんですけど、リハーサルの時、い
つも追い詰められて逃げ出したくなっ
ちゃうんですね。苦手なダンスを短時
間で覚えなきゃならないし、大人数だ
し、通常の自分のスタンスとあまりに
も違うから、パニック状態に陥っちゃ
う。でも、本番のステージが終わった
あとは毎回、すごい達成感があるなぁ。
何ものにも変えられない喜びっていう
か、みんなで協力してひとつのことを
やり遂げた喜びがあるんですよ。
――8月13日には池袋サンシャインシ
ティ(東京)で新曲発売記念イベント
があるそうで。大忙しの夏になるけど、
体調管理の方は万全ですか?
平家 まず寝ること。最近、睡眠時間
が少なくなって、少し疲れが出てきた
ので、夕べは10時半にもう寝ちゃいま
した。あとは……食べることかな。ち
ゃんと寝て、食べて、この夏を元気に
乗り切りたいと思ってます。
へいけ・みちよ。97年『ASAYAN』(テレビ東京) の『シャ乱Q女性
ロックボーカリストオーディション』でグランプリを獲得。同年11
月シャ乱Qプロデュース「GET」でCDデビュー。今年3月
には黄色5として「黄色いお空でBOOM BOOM BOOM」
リリースした。5月リリースの前シングル「ワンルーム夏の恋物語」
は最高位26位、売上げ1.8万枚。
★平家みちよが思う1番の愛の力は“毎日の電話!”とのこと。



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