CD発行に当たって
このCDは、国際コダーイ協会創立25周年と福島におけるコダーイの教育20年を記念してリリースされた。収録内容は、福島コダーイ合唱団の3回目のハンガリー演奏旅行プログラムによっている。福島コダーイ合唱団は、1999年8月、ハンガリーにおいて、'99セゲド市庁舎夏の野外コンサート・シリーズ開幕演奏会、ブダペシュト・ナードル・ホールにおけるリサイタル、ケチケメートで開催された第14回国際コダーイ・シンポジウム演奏と3回の演奏を行った。
プログラムは、Many Nations - Many Voicesのタイトルの下、日本の伝統音楽からヨーロッパのア・カペラ合唱まで、世界の様々な歌声の魅力を追求した内容であった。収録曲は、ブダペシュトのリサイタルの主な演奏曲で、演奏順に配列した。ハンガリー国歌、ブラームスの『愛のワルツ集』よりは、アンコールとして歌われた。ハンガリーでは、この他に、ソーラン節やアイヌの民俗舞踊を踊り、南アフリカのプロテスト・ソングなども演奏した。ハンガリーでのライブ録音によるCD制作を目指したが、ホール外の騒音なども入り、必ずしもよい録音状態とは言えず、2000年1月に行われた帰国演奏会の演奏などからも収録した。
福島コダーイ合唱団は、1987年に創設された教員合唱団である。音楽教育は、歌うことを基本とし、自国の音楽伝統から出発するべきであるとするハンガリーの作曲家コダーイの理念によって、合唱活動を行っている。世界の諸民族は、様々な声のテクニックを用いて、実に多様な歌声を楽しんでいる。Many
Nations - Many Voicesでは、日本の伝統音楽や民俗音楽、現代音楽から東欧のブルガリアン・ヴォイス、そして様々な時代と国々の西洋の合唱曲をその様式や唱法を生かして歌うことを試みた。指揮は、ウグリン・ガーボルと降矢美彌子である。4つのスロバキア民謡のピアノ伴奏・指揮は降矢美彌子、ミサ
ブレヴィスのオルガン伴奏は、ハンガリーのオルガニスト、キラーイ・チャバ、箏、菅野幾代、篠笛、菅野啓明、じゃんがら太鼓、鈴木庄寿、根本芳行、その他の伝統楽器等は団員による演奏である。