食事

 

 はっきり言ってフランスの食事は高いです。旅行者であるがゆえに、外食の回数が増えるということもありますが、基本的にコースメニューなので、どうしてもコストがかかってしまうようです。日本のように、一品メニューというのが少なく、どのレストランに入っても、前菜、メイン、デザートという順番で出されます。もちろん一皿料理のようなものもありますが、言葉が分からないと、なかなか頼みづらいのではないでしょうか。
 コースといっても、僕が行ったレストランでは、前菜は前菜で何品かある中から選び、メインはメインで選択肢の中から選ぶ、といったものでした。鶏肉、牛肉、魚ぐらいの言葉しか分からなかったので、その場で適当に決めてしまいましたが、嫌いなものがある場合、そのフランス語だけは覚えておいたほうが良いでしょう。普通のレストランで、だいたい60〜80FFぐらいかかりました。これでも安い部類のほうなのですが。
 家庭料理は別なのかもしれませんが、少なくともコースというからには、一品一品持ってきます。ですからどうしても時間がかかり、時には一回で全部持っきてと思うこともありました。前菜でサラダを頼んだのはいいのですが、いきなり生野菜だけを食べつづけなければならなかったのは、ちょっと辛いものがありました。もともとフランスでは、食事に時間をかけるのが当たり前。その感覚に慣れてからは、できるだけ食事を楽しむことにしました。
 食事自体の時間も長いのですが、始まる時間は遅いようです。僕たちは日本の感覚で七時ぐらいにレストランをまわってみたのですが、開店はしていても、お客さんがいることはほとんどありませんでした。また、昼休みを取るお店も多いようで、午後三時頃、ちゃんとした食事を取ろうと思っても、どこも開いてなかったりしました。まあもちろん、ファーストフードなどはいつも開いているようですが。
 安く上げるためには、若者の特権を活かし、学食を利用しようとも思っていました。が、フランスでは、現地の学生でないと利用できない学食がほとんどのようです。チケット制になっていて、学生証を提示しなければ買えないという話でした。言葉が分かれば、現地学生にチケットを譲ってもらい、食事をすることができたでしょうが、さすがにそこまでする体力も勇気も無かったので、普通のレストランで済ませました。
 各国料理の中では、やはり中華が一番安いようです。どちらかというとフランス料理より日本人には馴染みがあるし、ご飯が出るというのは嬉しい限り。安ければそれだけ質が落ちるのは仕方が無いところですが、それでも旅行中、何度もお世話になりました。フランスやイタリアの料理ばかりだと、何だか胸焼けしてしまうような気もします。他にもアフリカ料理やチベット料理も体験しました。パリなど大きな町では、各国料理レストランがあるので、いろいろ試してみるのも面白いかもしれません。
 飲み物についてですが、日本のように先に水が出てくることはありません。注文の最後に飲み物を聞かれるので、好みに合わせてワインなどを頼めば良いでしょう。もちろん水道水を頼めば無料です。体質的な合わないなどの理由で、水の質が気になる方は、ミネラルウォーターを頼めば良いでしょう。
 ここで気を付けてほしいのは、必ずガス抜きにすることです。フランスにはガス入りの水というものが存在するのですが、これはどう考えても日本人の味覚に合いません。。炭酸飲料水の甘みを抜いたものと言えば良いのでしょうか。僕たちは一度これを頼んでしまったために、大変辛い目に遭いました。他のテーブルにいたフランス人は、平気で同じ物を飲んでいたのですが、このあたり、文化の違いとしか言いようがありません。美味しくない上に、ミネラルウォーターなので別料金を取られ、散々でした。
 昼食も夕食もレストランで外食、では、財政的に厳しいと思うので、どちから一食は軽くすませることをお勧めします。カフェでサンドイッチを食べたり、スタンドでクスクスを頼んだりすればかなり安上がりでしょう。ニースでは、ホテルに冷蔵庫が付いていたので、パンとハムを買ってきて、自炊していました。食事が高いということは、逆に言えば食費を抑えればいくらでも節約できるということです。いつもは質素でも、たまには豪華な食事にすれば、フランスでの食事を十分楽しんだことになるのではないでしょうか。