神奈川県では約30年にわたり、県立高校の入試を「神奈川方式」と呼ばれる独特な選抜方法でやってきました。
これは、中学の内申書と、中学2年の3学期に全県一斉に行われるアチ−ブメントテスト(ア・テスト)と、各高校での入試とを使って合格者を選抜するもので、ア・テストが選抜資料になるというのが他県と違うところでした。ア・テストの成績は、中学間の格差に関係ない全県一律の客観的評価基準として中学での進路指導で重要な資料となっていました。
しかし、中学3年での学力の伸びや、本人の意志を無視したようなア・テストの成績による志望校の割り振り(これを「輪切り」と言います)とか、県外からの受験者の扱いとか、いろいろ問題があって、1994年に、以後ア・テストの合否判定における比重を段階的に削減し、1997年度の入試からは内申書と各高校での学力検査(入学試験)のみで判定することになりました。つまり、1994年度の中学1年より以降は、ア・テストは高校入試と無関係になったわけです。ア・テストが選抜資料として使われていた時は、その結果によりほぼ進路(受験高校)が決まるため、県内の学習塾ではア・テスト対策が重要で、塾生も中学2年生はア・テストを意識して集まっていました。それが1994年の1年生以降は2年生の段階まではあまり高校入試を意識する必要がなくなったわけです。
実際は2年の内申点も高校入試での合否判定に含まれるからのんびりしていていいわけではありませんが、生徒や保護者にとって2年での切実感は以前より格段になくなっているでしょう。そんなわけで、他の塾はどうだか知りませんが、私の所では1994、5年からめっきり中学の入会希望が減ってしまい、どうもこのア・テストの関係じゃなかろうかと思っている次第です。
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