Written by フィクション大魔王
PSショートショート
『シーレン・ミューのないしょばなし 第1話 噂の真相』
ミュー :「私のカンでは、あの二人長続きしそうにないわ。」
シーレン:「どうして、そう思うのです?」
マーリナとの婚儀は無事終わったが、結婚騒動の熱気もまだ
冷めやらぬシール王国。今はまだ慌ただしい毎日である。だが、
一応の平和を取り戻し、だれもが安息を喜んで受け入れていた。
だが、そんななかでも平和を甘んじて受け入れず、これからの
王国の未来を危惧するひと組の女と男がいた。
ミュー :「あんたも見てたでしょ。花嫁選びの時、ケイン様ったら
そうとう迷っておられたじゃない。」
シーレン:「確かに優柔不断すぎました。はたから見てるこっちの方
がいらいらしましたね。」
ミュー :「でしょ?あのときライル様がケイン様のお尻を
けっとばしてなきゃ、リークにもシールにも居場所が
なくなって、いまごろ私たち無宿者よ。ああ!
ライル様にはほんとに感謝してるわ。」
シーレン:「めちゃめちゃカッコイイですよね!
おんなじ男として憧れますよ。」
ミュー :「そうよねー。うちの大将(ケイン)にも、
ちょっとは見習ってほしいわよねー。」
シーレン:「でも、ライル様といえば・・・。たしか。」
ミュー :「ええ。オラキオの国の王子に自分の婚約者を
譲っちゃったんですもの。しかもシューソランでは、
オラキオの王子にこてんぱんにされ、そのうえ、
婚約者を奪われた情けない腰抜け野郎だって噂が
たって、王子としての身分はく奪の上、国外追放よ。
ああっ、おかわいそうなライル様。」
シーレン:「ケイン様と逆の立場になっちゃいましたね。
でも、私が聞いた噂では、ライル様は喜んで
追放されたらしいですよ。なんでも、誰かの名前を
絶叫しながら嬉々として出ていったとか。」
ミュー :「『リナ〜〜〜〜!!いま行く
よぉ〜〜〜〜〜んんん!!!』、
それ私も聞いたわ。」
シーレン:「めちゃめちゃカッコわるいですよねえ!
おんなじ男として恥ずかしいですよ。」
ミュー :「それから、ライル様、どうなったと思う?」
シーレン:「どうって・・・サテラ国でリナ様と結ばれて、
幸せに暮らしておられるんでしょう?
冒険中もあの二人結構いい感じでしたし。
結果的には双方うまくいったのでは。」
ミュー :「そう思うでしょ。ところが、実際は違ったのよ。
ライル様、いったいどうなったと思う?」
シーレン:「え?ま、まさか。」
ミュー :「そうよ!そのまさかよ。ライル様、リナ様に
求婚したんだけど、相手にされなかったのよね。
だって、ケイン様は迷い迷った挙げ句、結局は
リナ様を選ぼうとしてたところをライル様が
強引にマーリナ様の方に押し付けちゃったん
ですものね。」
シーレン:「はぁー、そういえば、ライル様は
結構慌て者なところがあるから。
気象タワーで我々とすれ違っていたら、今頃
このあたり一体氷漬けになってたでしょうし。」
ミュー :「森のサファイアを隠しもって、ずーーーっとお一人で
くらーい洞くつの中を何日も何日もケイン様と私が
来るのを待ってらしたこともあったし。あとでライル様に
聞いたんだけど、一週間前から待ち伏せていたんですって。
あんたはストーカーかっ!?てーの。」
シーレン:「めちゃめちゃアブないですよねえぇ!
おんなじ男として情けないですよ。」
ミュー :「おんなじ王子でもこっちの方について良かったわー。
やっぱり男は甲斐性よねー!」
シーレン:「ですねー。我々はラッキーでしたねー。」
ミュー :「それにしてもライル様は、いまごろ、どうして
らっしゃるのかしら。」
ライル :「そこの、か〜のじょ〜!僕とお茶しない?あっ!ちっ。
いっちまったよ。お!ねぇねぇキミ、僕とデートしようよ!!
ああっ!ちょっ、まっ、そっ・・・なにも逃げなくてもいいのに。
ほかにいい子はいないかな・・・・あっ、いたっ!おーい!
そこのお姉さーんっ、僕と暖かい家庭を築きませんかぁ?
僕達はきっと、世界一幸せな夫婦に・・・・・・。」
完。
ご本人曰く、『はい。これが正真正銘救いようの無いお話。典型的なバカショートですね。』
目次へ
トップページへ