Written by フィクション大魔王

PSショートショート 
『シーレン・ミューのないしょばなし 第2話 禁じられた愛』



ミュー :「ああ・・・私のアインさまぁ。わたしは、
      あなたの○イのしもべです。」
 
 ライルの娘、ランとの婚儀も無事終わり、早や半年が過ぎた
 シール王国(青の月に引っ越すのはまだ、先のこと。)。
 結婚騒動の熱気も冷め、今はただ平穏な毎日である。だが、
 そんななか、ただひとり、情熱のほのおを燃やす女がいた。
 今は一国の主となったアインに熱いまなざしを注ぐミュー。
 だが、それはアンドロイドである彼女にとってけっして
 報われることのない、禁断の愛でもあった。

シーレン:「だれがアインさまのア○のしもべなんですか?」

ミュー :「わあっ!!おどかさないでよ。・・・な〜んだ、
      シーレンか。いったい何の用なのよ。」

シーレン:「別に、これと言って・・・。」

ミュー :「言っとくけどねえ、アインさまは私のものよ!
      あなたは手をださないでちょうだい!!」

シーレン:「(誰が出すかい!)・・・アイン様は
      ラン様と結婚なさいましたが。」

ミュー :「わーかってるわよ、そんなことくらい。でもね、
      あの二人にもいつか、か・な・ら・ず・来・る・
      の・よ!倦怠期ってもんがっっ!!」

シーレン:「倦怠期?まさか〜。あれほど深く愛し合って
      おられるのに。」

ミュー :「あれだけ、毎日べったりしてれば、飽きが来るのも
      早いわね。きっと。うふふふ〜ん。」

シーレン:「そうでしょうかねー。そういえば昨日もこんなことが
      ありましたっけ・・・。」

ミュー :「ああ・・・アレね。」

 昨夜の宮廷。大広間にてアインとランの結婚186日目を祝う宴の最中、
 ランが息を弾ませながらアインのもとへ走ってくる光景があった。

ラン  :「アインさま!、アインさま!!、アインさまぁ!!!
ほら、見てくださいアインさま〜〜〜。」

アイン :「ランちゃん!、ランちゃん!!、ランちゃ〜ん!!!
      おやおや〜?いったいぜんたいどうしちゃったのかなぁ?」

ラン  :「わたくし、侍女にこんなひどい目に遭わされましたの〜〜〜。」

アイン :「こ、これは!・・・な、なんて痛々しいんだ。よぉし!その
      侍女とやら、即刻打ち首にしてくれようぞ。誰か!そのけしからん
      侍女をここへ連れて参れ!!余がじきじきに・・・」

ラン  :「うううん、アインさま。それでは余りに可愛そう。
      せめて国外追放くらいで許してあげてくださいまし。」

アイン :「ああっ!ラン。君はなんて心やさしい女(ひと)なんだぁ〜。」

ラン  :「いえいえい〜え。アインさまの方が私より何倍もお優しいですわ。」

アイン :「ラン!」

ラン  :「アインさま!」

 がっし!一目をはばからず強く激しく抱きあう二人。シール王国は限りなく
 平和であった。シーレンもミューもその宴に強制的に参加させられていたが、
 さすがにその日は呆れてしまった。

シーレン:「・・・てなことがありましたよね?」

ミュー :「あったわねー。でも侍女が悪いんでしょ?仕方ないじゃない。」

シーレン:「ラン様の爪をすこしくらい深めに切ったからって、なぜに国外追放まで
      されなきゃいけなかったのか、私は不思議でなりませんが。」

ミュー :「うっ!か、仮によ。あの二人がこのさき、ずっとお熱い夫婦な
ままだったとしてもよ。時間が私に味方するわ。アイン様はいずれ
私のもの・・・うふふ。私のもの。キャ〜!!」

シーレン:「時間があなたに味方・・・するんですか?」

ミュー :「そーよ。愛しあう二人。永遠の愛を誓いあった仲。幸せな日々。
でも、それは退屈な日常。欠伸の出る生活。やがてお生まれになる
お子さま達も、いずれはアイン様のお手を離れるわ。そしてやがて
      来る伴侶との永遠の別れ。そこでこの私が、ひとりぼっちのアイン様の
      お心に開いた穴を埋めて差し上げるのよ。わかった?」

シーレン:「・・・アイン様がラン様より長生きされるとは限りませんよ。」

ミュー :「うっ!」

シーレン:「それにお生まれになるお子さまが、男の子であればお世継ぎとして、
      ずっと一緒にお暮らしになりますよね。」

ミュー :「ううっ!!お、お生まれになるのが、男とは限らないわ。
      女の子だとしたら、当然、隣国のシューソランへお嫁入りね!」

シーレン:「いいえ。お生まれになったのが女の子だとすれば、それは
      ラン様に瓜二つ。男親として当然手許に置いておくでしょう。
      となると入り婿の可能性が高いですね。」

ミュー :「お、お、おんなの子は男親に似るっていうじゃない。
      ラン様に似るはずないわ。」

シーレン:「だとしたら、お生まれになる女の子は、アイン様に瓜二つ。
      アイン様は、それはもう、目の中に入れても痛くないほどに
      ご寵愛なさるでしょうね。」

ミュー :「ど、ど、ど、どっちにも瓜二つって言える程
      似てなかったら、どうなのよ!!!」

シーレン:「それなら、当然、お二人の絆はさらに深まることでしょう。」

ミュー :「『あら、アイン。この子の目許は、貴方にそっくり。
      この子はきっと、貴方みたいな、立派な王族になるに
      違いないわ〜。』なんてカンジー!?」

シーレン:「『何を言うんだ、ラン、この子の愛くるしい口許をごらん。
      君に似て、きっと、誰もが振り返るほどの美人になるに
      違いないさー。』てな具合ですかね。」

ミュー :「ぐ、ぐ、ぐ、おのれぇ〜!!」

シーレン:「早く、諦めた方がいいですよ。」

ミュー :「うっさいわねー!!」

シーレン:「本当のことですから。」

ミュー :「シーレンのひとでなし!!」

シーレン:「私はもともとロボットですよ。」

ミュー :「キーーーーーっ!!!!!!」            

 その頃二人の寝室では・・・。

アイン :「ラン。二人で可愛い子を作ろうね。」

ラン  :「ええ、アインさま。うふふふ。」
               
                                完。

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