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02/01/2000
正月早々猫と格闘
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いよいよ西暦二千年を迎えるときがやってきた。世間では、Y2K問題でコンピューターの誤作動が懸念されていたり、それでも千年に一度の記念すべき年を迎えるとあって、どこでも各種イベントが企画され、お祭り気分であったりと、いろいろな意味で、非常に賑やかな年末である。
この田舎での日々は、昼まで寝て、本を読んで暇な時間をつぶすというのが恒例であった。家の周りには本当に何も無く、最寄駅までは徒歩二時間という場所なので、他にすることが無いのである。母は昔の友人と会ったりしてそれなりに故郷を楽しんでいるようだが、僕は祖父母に顔を見せる以外、目的は無いといってよかった。
どうも彼女は寂しがり屋らしく、夜は基本的に誰かの寝床に入らないと眠れないらしい。以前までは、従兄弟がその担当だったのだが、現在は、専門学校に通うため、別の町に居を構えている。僕が来る前は、毎日適当に誰かが布団を提供していたようだが、今年の正月だけは、何故か僕が彼女の興味の対象になってしまったのである。
夜、彼女はより激しい行動に出る。まず障子を勝手に開けて、僕らが寝ている部屋に侵入する。もちろん開けたら閉めるという礼儀は持ち合わせていないので、そのままにしておくと、隙間風が入り非常に寒い。さらに鳴き声を上げながら、部屋の中をぐるっと一周し、布団に入り込む隙は無いかと探索する。
その後どんどんと奥へ突き進み、お気に入りの場所なのか、足の間にその身を横たえた。邪魔なのでどかせようとするのだが、外に出してしまってはまた同じ被害に遭う。そこで、布団内の隅に押しやるのだが、どうも人間の体に触れていないと寂しいらしく、何時の間にか寄り添ってくるのである。
二千年問題も、従来から心配されていたほど深刻な事態にはならず、ほとんどの人が新しい年を晴れやかな気分で迎えたであろう今年の正月は、僕にとって、かように一つの試練とさえいえるものであった。当然のことながら、僕はその家で一人、昼ご飯の支度が出来るまで床についていた。 |