平成9年4月23日
容積率緩和法改正に物申す
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月22日、大都市圏で中高層集合住宅の供給を増やすことを狙いとする、容積率規制の緩和を柱とする建築基準法と都市計画法の改正案が閣議決定し、国会に提出された。疑問点1.大都市圏で中高層集合住宅の供給を増やすそもそもの目的は何か。
疑問点2.現実の問題としてこの法改正によって恩恵を受けるのは誰か。
疑問点1について
一般国民がマンションを低価格で購入できるようにするため。
今回の法改正で、はたしてその目的は本当に達成されるのか。
私見:ディベロッパー或いは金融機関等の保有する土地の価格の下落を押さえるためではないか。(汐留の跡地の容積率緩和と同種ではないか)
疑問点2について
一般国民が恩恵を受ける。大都市圏でマンション購入を予定している人たち。
私見:対象地域に土地を保有している人々(企業)と不良債権を処理する立場の人々(企業)。
土地価格が急激に下落すると不良債権が増えるので企業の建て直しが遅れる(出来なくなる)。また、不良債権の処理をする上で債権回収率を高めるための措置と考えられる。容積率の緩和により土地の利用価値を高めることで土地価格の下落に歯止めをかける。
仮に私見で述べたようなことを政府が意図しているのであれば大いに問題あり。
1.住宅余りの時代に突入し始めた現在、今のような住宅供給が続けば、ますます住宅が余ってくる。住宅都市整備公団が分譲事業から撤退することと今回の措置は整合性に欠けるのでは。
2.人口減少社会を目前(約
3.中長期的な視点で考えるのであればむしろ住環境を保護していくような政策、或いは質の高い住宅を供給させるための施策を考えていくべき時期だと思う。
4.箱物は一度作ると
40−50年は取り壊すことは難しい。人口減少社会に移行するとスラム化したマンションが多数出現するであろう。