平成9年10月17日
建設委員会議事録について
中島武敏委員(衆議院議員)の質問
マンションの場合地下に2階3階とか、敷地で広大な地下面積をつくる、こういうことになるのではないか。
三井康壽(建設省住宅局長)
したがって、B実際上はそういうもの(地下に2階3階とか、敷地で広大な地下面積をつくる建物)は建ってこないだろう、(「すべて地下」で家族が住むようには)利用されないだろうと思っている。
上野公成委員
今回の容積率緩和は2つの原則があると思う。
公共施設に負荷がない、環境に影響がないという2点
以上、2点はこのようにクリアーされたということでよろしいですか。
三井康壽(建設省住宅局長)
基本的にその通りでございます。
解説
法改正以前は地下室を作っても事業主に何のメリットもないので地下室を作らなかった。容積率の低い場所(第一種低層住居専用地域等)ではわざわざ4層以上にしなくても容積率を使い切ってしまうので地下を使う必要性がない。また、社会通念上の地下室と建築基準法上の地下室はずれがある。
マンションでの地下室の利用法は収納スペースか車庫を想定している。
第一種低層住居専用地域でさえ、地上3階地下4階という計画も出てきた。
しかも地下1階どころか地下4階にも「すべて地下」で家族が居住する事態が生じている。確かに社会通念上の地下室(地中にもぐってしまう)には人は住まないが、建築基準法上の地下室(特に斜面地では地上に出る。)には地下4階でも人は住める。このギャップが問題を発生させた。
Cについて
Bのように「すべて地下」で家族が居住する(寝る)事態が生じているので、人数も増える。
人数(世帯)が増えるので自動車の台数が増える。
Eについて
人数(世帯)が増えれば公共施設に更なる負荷がかかるのは当然である。
Fについて
容積が1.5倍に活用できることにより、第一種低層住居専用地域においてさえ一戸建てよりマンションのほうが採算がよくなった。マンションの建つ広さの傾斜地であれば、一戸建てではなくマンションが建つこととなり、見た形ががらりと変わり、人口密度も増え環境にも重大な影響を及ぼすこととなる。
以上、建設委員会で懸念されていた事態が正に生じている。
そもそも「地下室の容積率不算入措置」を適用できる地盤面・地下室の定義を、拡大解釈して適用している事に問題があると思われる。この拡大解釈は建築基準法に触れる(違反している)可能性があると考えられる。