運動の始まりに際し

1.住民側のニーズを認識する

1)「一戸建て」「マンション」の選択を問う

2)「一戸建て」を主張する理由を明確にする

3)漠然とした不安感は具体的な問題に置き換える

2.基本的なスタンス(論拠)

(1)ニーズは将来を見据えた(豊かな暮らしをつくる、優れた住環境を守る)要求

(2)建築基準法の検討(建築基準法の目的)「最低の基準を定めて」国民の生命、健康および財産の保護をもって公共の福祉の増進に資ずること。

・平成6年建築基準法の改正(地下室の容積率不算入措置)の検討

(3)市を住民側に配慮した判断にさせる

3.業者への切り口

1)近隣の合意がないまま強行している

2)近隣の不安に対する誠意ある回答がない

   ・住環境の悪化

   ・交通量の問題

   ・工事申の騒音、振動の問題

   ・立替時の問題(スラム化)

   ・崖崩れの問題

   ・「―戸建て」案を真摯に検討してない(全くできないわけではない)

3)業者は「住民」ではない

  ・開発、利益が先にありき

  ・開発〜販売までで毎日の生活の問題を考慮してない

  ・売り切ってしまえば一切近隣住民とは関係なくなる(売り逃げ)

4)適法か否かは紛争時(あっせん)の論拠にならない

  ・最低基準を満たしても、この地域にはなじまない

  ・あくまで地域の特性を考慮すべき

  ・最低基準をクリアしているからあっせんで対等に話し合えるのであって、適法であることの―点張りは問題にならない

  ・住環境の悪化は明白

  ・歩み寄って―戸建てを

5)法人であっても良識をもつ時代

  ・豊かな街づくりに貢献してこそ一流企業

4.市への切り口

(1)地区特性に応じた誘導をしていない

 ・田園都市の一戸建て地域

 ・区画(道路)も一戸建てを想定

 ・誘導できるのは住民要求を受ける市だけ

2)中高層住宅はニュータウンで住み分けるのが計画的土地利用のあり方ではないのか

 ・戸建区域内の小規模マンションでは、立替時の住民の資力、問題解決力が大きく影響し、硬直化によるスラム化が深刻(ニュータウン等スケールメリットの生かせる地域がマンションに適している)

32010年(ゆめはま2010プラン)を見越して豊かに暮らす住民要求をどう見るのか

 ・虫食い的開発から街並みを守つてほしい

 ・街並みは崩れるとすぐには直らない

 ・狭隘戸建てを共同住宅化するのは福利向上だが、今回は戸建可能をわざわざ共同住宅にして住民の福利低下

4)住民と開発者を同列に扱うことが「公正」ではない

5)歴史、街並み、総合的観点から判断できるのは住民と市だけ

 ・この土地をめぐる歴史的経緯(きわめて公共性があり、住民の福祉に資してきた)

6)市は議会からこの問題を依託される責任ある立場

 ・請願内容を受けとめる立場

 ・単に適法に執行されているかだけをみる立場ではない

 ・従来の前例踏襲ではなく、街並みに対する画期的判断を

7)暗黙の了解で建築協定いらずの平和な環境だった

 ・マンション建設など近隣住民なら考えつかない(できない)

 ・閑静な一戸建て地域という暗黙の了解があった

 ・証拠(地主が境界登記確認する際、マンション建設の話はなかった〉

5.(参考)ゆめはま2010プラン

「豊かな暮らしをつくるプラン32」に基づく市の姿勢

(1)「土地利用」についての基本的考え方

「市民、企業による建築や開発に対して、地区特性に応じたきめ細かな誘導を行い、快適な市民生活の場を形成していきます。」

(2)市街地環境のきめ細かな誘導(ポイント)

 ・地域特性への配慮、さまざまな誘導手法、事業手法の活用

 ・街づくり誘導の基本的事項に関ずる制度の整備、充実

 ・市民の主体性を生かした街づくり

(3)横浜らしい快適な環境づくり(ポイント)

・地区計画の策定、建築協定の締結などによる快適な住環境の実現

6.会の戦術について

1)会、の運営についておおまかな「きまり」を設ける

 (いくら近所のことであっても人数が多く、利害がからむため)

 a.市、業者などへの対応方法

 b.速報等の連絡方法

 c.戦術・方針等、意志決定の方法

2)内部のコンセンサスは局面の都度再確認しあう

 (相手への対応は迅速に越したことはないが)

 ・総意は常に確認するのが運動を持続させるための基本

 ・一部で動くと運動が分裂、矯小化しやすい

3)市をできるだけ関与させる

 ・優れた住環境は維持し、地域の特性にきめ細かく配慮する立場に立たせる

 ・総論、法令、「ゆめはまプラン」の趣旨を尊重させる

4)法的な論拠、市の立場を研究する