駅前徒歩三分、大きな通りから一本入ったところにあるビデオ屋。
品揃えはそこそこで、微妙に古い作品が充実しているのが唯一の取柄といったところか。
以下は、そこでバイトをしている二人の女の子(どちらも二十歳前後と思われる)の会話である。



「……ねえねえ、あの子、かなりイケてない?」
「どれ?」
「ほら、あれ、あそこの二人組み。背の高い方」
「んー? あのメガネかけてる?」
「そうそう。なんかインテリって感じ」
「えー? いいとは思うけど、私はもう一人のがいいなー」
「こーの可愛いもの好きめ」
「高校生だよねぇ、な〜んか仲よさそう」
「っていうかさ、なんか仲よすぎない? なんであんなにくっついて話してるわけ?」
「そう? ………………そうかも」
「でも、あの二人なら許せる感じ〜」
「あ、見て見て、袖なんか引っ張っちゃってる! 可愛い〜」
「わざわざ内緒話なんて、なに話してんだろ?」
「ねね、ちょっと棚整理行ってきなよ」
「やだぁ、デバガメみたいじゃん」
「わ、見た、今の!」
「見た見た! なんかすっごい目で見てたよね、あっちの子」
「そうそう、なんていうの、愛しい〜みたいな」
「やっぱ、だよね!」
「今のは間違いないっしょ」
「あ、また内緒話!」
「って、そこで頬染めるし!」
「うわー、気になる! なに言ったんだろ」
「なんかさ、こうやってみると、さりげにスキンシップしてるよね?」
「してるしてる! 棚移動する時なんか背中に手あてちゃったりしてさ」
「あ!」
「……見た?」
「見た」
「一瞬だけだったけど、手、握っちゃってたよね」
「見てー、あの子、耳まで真っ赤だよ」
「かっわいいなぁ、もう!」
「ラブラブなのに初々しいって、もうカンペキっしょ」
「なにがカンペキなのよ、なにがー」
「や、ほら、……いろんな意味で?」
「まあ、ニュアンスで理解しときましょう」
「あ……こっちきた」
「しー!」

「カードをお預かりします」
「カードをお返しします」
「新作は一泊二日、旧作は七泊八日になりますがよろしいですか?」
「では、新作は明日二十日、旧作は一週間後の二十六日までにご返却をお願いします」
「ありがとうございました」

「……あーあ、帰っちゃった」
「でも、すっごい映画のジャンルバラバラ」
「っていうかさ、私カード見たじゃん? あの子十四歳だって!」
「ウッソ! マジで?」
「マジマジ! なんか詐欺って感じだよね〜」
「や〜、でも、それなら納得するかも」
「なにがよ」
「さっきの初々しさだよ〜。甘酸っぱい中学生日記って感じじゃん」
「うわ、なにそれ、恥ずかしすぎっ!」
「まあ高校生くらいなら惜しい! って思うけど、中学生じゃあねぇ」
「あんた、さっきからあの二人ラブラブ説全開だったじゃない」
「それはそれ、これはこれなの」
「まあ、気持ちはわかるけどさ」
「ね〜」
「あ〜あ、今日は目の保養した〜」
「同じく」
「さて、上がり時間まで頑張りますかぁ」
「はぁ〜い」



駅前徒歩三分、微妙な旧作の充実しているビデオ屋では、たまにこうした会話が飛び交っているらしい。


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さて、これは菊丸と誰なんでしょう?
候補は眼鏡かけてる人。
あとはお好みで考えてください(笑)