| 英二が恋人と喧嘩をしたらしい。 ここのところ、いつ見ても携帯を出してはため息をついているから、聞いてみたんだ。 英二に恋人がいるのを知っているのは僕だけ。 本当に偶然知ってしまって、英二は僕に『ごめん』って謝った。 『もう少し落ち着いたら言おうと思ってた』って言葉は嘘じゃなかったと思う。 英二は僕を一番の友達だと思ってくれてるって信じてるし、ちゃんとわかってるから。 それに言いにくかった英二の気持ちもわかるしね。 なにしろ相手が同じ男だったんだから。 僕だって驚かなかったって言ったら嘘になるけど、でも……なんとなくそんな気がしてなかったわけでもない。 だって英二は可愛い。 外見だけじゃなくて。 もちろん外見だって可愛いけど。 くるくる変わる表情や、いろんなことに興味を示して飛び回ってるところや……。 動物の子供が問答無用に可愛いと思わせるように、英二は問答無用に可愛いと思わせるものがあると思う。 だからこそ、恋人なんてピンとこなくて驚いたんだけど。 あ〜あ、これじゃ可愛い子供に恋人ができた親の心境だよ。 ところが喧嘩。 原因とか、どっちが悪いのかとか、そういうことは知らないけど(英二はこういうことは絶対に言わないんだ)、英二が喧嘩したことを後悔しているのだけはわかった。 今までこんなことはなかったから。 「おい、菊丸はどうした」 「英二はね……うん、壊れた時計を直しに行ったよ」 「時計が壊れた……のか」 「そう」 確かにそれは不便だからしかたがないと、でも内心納得しきれない顔で不承不承うなずいた手塚に僕は笑いをかみ殺した。 嘘はついてないよ。 携帯を見ては考え込んで、お昼になったことも気づかなかったし、なにより楽しみにしてる放課後になって、部活の時間になったことにも言われるまで気づかない。 壊れたのは、英二の体内時計だっただけ。 |
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| な、なんだか微妙?(汗) 菊丸も、その相手も出てきてないや。 |