リョウ・サカザキは極限流空手の師範である
厳格な父から、日々厳しい特訓を受けていた。
しかし気弱で心優しいリョウにとってそれは、
あまりにも厳しく耐え難いものであった。
リョウ「こんな修行耐えられないよ。
リョウ・サカザキ:最強の格闘家タクマ・サカザキと
妻ロネットとの間に生まれ、幼い頃から厳しい修行を強いられてきた。
タクマ・サカザキ:極限流空手を伝承するため、アメリカに渡り、数々の
○○○○○○においても勝利を修めた。
ロバート・ガルシア:実業家アルバート・ガルシアと妻ジュリーとの間に
生まれ幼い頃から大切に育てられた。
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実業家の裕福な家庭に生まれたロバートは何不自由ない生活の中、
幼い頃から後継ぎとなるべく、父から帝王学を学ばされていた。
ロバートにとってはそれが何よりも苦痛であった。
アルバート・ガルシア「いいかロバート。将来、私の後を継いで
世界一の大富豪になるんだぞ。ワッハッハッハッ……」
アルバート・ガルシア:イタリアの貧しい家庭に生まれ、
若い頃から苦労に苦労を重ね、一代で富を築いた実業家。
一人息子ロバートに大きな期待をかけている。
ロバート「僕、本当はお父さんの後継ぎなんていやなんだ。
自分の力で成功をつかみたいんだ。」
アルバート「生意気なことを言うんじゃない。ロバート、よく聞け。
私が今までどれほどの苦労をしてきたかわからんだろうが……」
アルバート「待て!ロバート、どこへ行く!」
家を飛び出したロバートは、父の友人であるタクマ・サカザキの道場へ行き
極限流空手を伝授して欲しいと頼み込んだ。
タクマはロバートの志を汲み快く受け入れ、リョウと共に修行を積ませることにした。
数ヵ月後、ロバートは単身、修行の旅に出た。
リョウとロバート、対照的な2人の運命は…
リョウ、10歳の誕生日の悲劇。
両親の乗った車がサウスタウンでトラックに激しく追突され、母は即死、
父タクマは瀕死の重傷を負い、トラックは逃げ去った。
リョウには4つ年下の妹がいた。
ユリ・サカザキ:リョウのかけがえのない妹。両親とリョウはもとより、
ロバートにも可愛がられていた。
ユリ「パパ!ママ!」
事故には不信な点が多く、リョウは父の逆恨みするものの仕業であると
確信をしていたが、幼い彼にはなすすべがなかった。
何者かに狙われたのか!
リョウ「もう泣くなよ。俺がついてるじゃないか。」
ユリ「お兄ちゃん…」
父タクマが事故で入院している間、兄妹に収入源はなく、数ヵ月後には
道場を売り払う事を余儀なくされた。
数ヵ月後、タクマは退院したが、職には就かず妻を殺した犯人を捜し求め
街をさまよい歩く日々が続いた。
そして、幼い2人を養うため、ストリートファイターにまで
身を落としていくのであった。
ある日、タクマはまだ2人が眠っている間に置き手紙を残して、
家を後にするのだった。
果して手がかりは掴め(○めた?)たのか…。
リョウ「一体、何が…」
それ以来、父が戻ることはなかった。
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成長したリョウは妹のユリを養うために、早朝から夜中まで、死に物狂いで働いた。
しかし、生活は苦しく、ユリに贅沢をさせてやることなど
できるはずもなかった。
ユリ「ママ…」
リョウ「父さん、俺は一体どうすればいいんだ。」
(かつてのタクマがリョウの脳裏で諭す。)
タクマ「この世の中、自分の力で成功を勝ち取らない限り、
お前を誰も助けてはくれないんだぞ。
リョウ「自分の力で勝ち取る…」
2人の生活は日毎苦しくなっていった。
ユリに苦労はさせたくない、その一心でリョウはストリートファイトに身を投じた。
ユリ「おにいちゃん」
ユリ「やめてェ−−!」
ユリ「お願い!もうこんなことはやめて。私贅沢なんてしなくていい。
今のままで十分幸せだもん。」
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数年後、リョウは街でも評判のストリートファイターに成長した。
街のストリートファイター「生意気な野郎だ!俺たちを誰だと思っているんだ!」
ロバート「リョウ!」
リョウ「ロバート、やっと戻ってきたのか。相当腕を上げたな。」
ロバート「リョウ、こんなことをしている場合じゃないんだ!
ユリちゃんが車で連れ去られたんだ!」
ロバート「おやじさんが行方不明だと聞いて、リョウの家に向かう途中だった。
すまない。助けられなくて…。」
ロバート「手がかりは車のナンバーがサウスタウンのものだということだけだ。」
リョウ「(サウスタウン…)」
リョウ「両親だけじゃ飽き足らず、ユリまでも俺から奪うというのか。
許せねえ、この腕で叩きのめす!」
ロバート「じゃあ、俺も手を貸すぜ。」
その頃、サウスタウンでは…。
サウスタウン:一見は活気溢れるビジネス街。
しかしその裏側では、欲望と憎悪が渦巻いていた。
ユリ「きっと、お兄ちゃんが助けに来るわ!」
一体、誰が、何のために、ユリをさらったのか!?