地下鉄有楽町線・東池袋駅にほど近い、首都高速高架下を行く、「東京最後の路面電車」都電荒川線・早稲田行

東池袋を南下すると都電は城北エリアの中でも数少ない閑静地帯の学習院下(目白)から、西池袋立教大学キャンパス裏手に匹敵する天下の"ビンボー学生街"早稲田へと、城北系有名大学ゾーンを、なつかしいチンチンという音とともに、フォーク世代の足であった頃のノスタルジアなどもふんだんに乗せながら、ゆったりと走っていくのだった。小さな小さな新型車両が可愛くてなかなか楽しい。

そして逆側の荒川方向に向けて北上すると王子方面へと出る。路面電車として実際に道路の真ん中をのんびりと一風変わったバスみたいにしてキュートに走っている。悪名高き東京城北エリアのカップルや散歩好きにとっては、沿線の飛鳥山公園は緑たっぷりで噴水も立派で、なかなか素敵なくつろぎスポットだ。

僕は型の古いデジカメを部屋の片隅から取り出して、普段は乗らないし自分にとっての生活の足でも何でもない路面電車に「未来型スモールコンフォタブル都市内アクセス」の可能性を見いだした。

首都機能移転などで各地に在宅勤務時代的な職住一体型ハイテク小都市が次々に現れてくる時、最も効果的で効率のいい移動交通システムは案外これなのではないか、という気がしている。

そして普段みんなの意識の外にある都電こそは、実は池袋の地域性や住民のキャラクターを語る上ではとてもわかりやすいシンボルなのである。

池袋キャンパスへ向かって