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終了[1272] 豆…何個食べた?

ハルアイ ☆2011.03/05(土)15:08

おにはーそと! ふくはーうち!
節分の日、ポケモン広場で豆まき…ではなく「豆投げ」が行われていた。
そこに必死こいて走っているのが一匹。
「わーっ! なんでこのオレが鬼なんだぁ〜っ!」
紙で作られた赤鬼の仮面を頭に乗せたゲンガーが豆投げ大衆から懸命に逃げていた。
ゲンガーはテレポートのような能力があり、
いつでも逃げられることもできるが、それは主催者である
「おおいなるきょうこく」のネイティオによって封じられていた。

主催者は楽しげにのんびりと観覧している。


「みんなを騙したバツさ! さぁみんなでゲンガーに豆を投っげろーっ!」

豆投げ大衆の中のワニノコが大声を出した。
その合図と共に一斉にゲンガーへと豆が飛んでいく。
そしてそのワニノコは小声で誰かに話しかけた。
「ライド、今までの恨みを今ココで――――っていない!?」
後ろに振り向いた途端、『ライド』がいないということに気付いた。

いったん、大衆から出てライドを探す。
しかし大衆の前にも中央にも後ろにも、どこにも見当たらなかった。
そのまま大衆はワニノコを置いて郵便屋のほうへ行ってしまった。

「さっきまでいたんだけどなー」
閑静になった広場に聞こえてきたのは何やら聞き覚えのある楽しそうな声。
寄ってみると探していた相棒のヒトカゲ―――ライドと、最初に救助隊として助けたキャタピー。
そして仲良しになったトランセル。
それに以前、「さわぎのもり」でマンキートリオに悩んでいたソーナノとソーナンスがいた。

みんな話をしながら木箱に入った豆を口に運んでいる。
足音か何かに気付いたのかライドがワニノコのもとへ駆け出してきた。
「あっドリス! ドリスは豆はいくつ食べた?」
いつものように楽しげに言う。
「…は? 豆を食べたってさ…節分に食べちゃっていいものなのか?」
「あれ、やっぱり知らなかった? 豆を年の数より1個を多く食べると体が丈夫になるんだって」
「へぇー。もしかしたら状態異常にかかりにくくなるかもな。
ところでそれってさ、人間のお決まりごとなのか?」
「…なのかな? よく覚えてないけど…でも確かにそういう記憶はあったような気がするし」
「なるほどなー。でもオイラ何歳か…なんてわかんないや」
「とりあえず、お豆貰ってこよっか?」
そう言うとライドはワニノコのドリスから離れ、ガルーラおばさんのいる倉庫に向かった。
豆の渡し主はどうやら彼女らしい。ライドは軽く一礼すると元に戻ってきた。
その間、ドリスはキャタピーたちと節分について話していた。
「ああ、ありがとな…っててんこ盛りじゃん! しかも何個かぼろぼろ落ちちゃってるし…」
ドリスは大きなリアクションをすると、山盛りの木箱を見つめる。
「いやー。なんかねドリスが食べたいんです、
なんて言ったら木箱にあふれるほどに入れちゃってねー…。
おばさんいわく、アイツは節分知らずだからたくさん食べるわよねって」
「いつの間にオイラに対する、節分知らずと食いしん坊のイメージが…」

しょんぼりしたような表情のドリスを見て、ライドは背中をポンと叩いてなぐさめの言葉をかける。
そのとき、さきほど聞いたばかりの声がみんなを驚かせた。
「ウゲゲゲゲーっ! ホント勘弁してくれーっ!」

その声に皆がいっせいに広場の方へふりむく。
「あっゲンガーだ」
最初に言ったのはライド。それに続いて他のポケモンも口を合わせる。
「ホントだ、あれはイジワルズのゲンガーさんですね」
「なるほどー。鬼はゲンガーなんだー」
「今日はいつもよりみんな楽しそうナノ」
「ソーナンスッ!!」

「ゲンガー――? あ、やっべ! そうだオイラ、豆まきに参加してたの忘れてた!
それでライドを探して…。とっとにかく行くぞ、ライド! 恨みをはらしてこようぜ!」

即座にヒトカゲの腕をつかみ、木箱を持って現場に走るワニノコ。
「ボクも参加!? はなから、ゲンガーに恨みとかなんてないし、参加する気もなかったから…
って聞いてないよー。待って〜ドリスー」
ヒトカゲのしばらく引き止めようとする声は続き、次第に遠くなっていった。
「――あの二人はいつもあんな感じナノ?」
「そうかもしれませんね。最初に出会ったときからあんな感じです。
ライドさんも普段引っ張られているように見えますが、逆に引っ張って行く場合もあるし、
あの逃亡生活以来ちゃんと互いのことも、わかりあえたみたいです」
「そっかー、だから二人はより仲良しになったのかー」
「いいコンビナノ。これからも色々な事情にあって大変なポケモンたちを助けてほしいノ」

「追い詰めたぞ、ゲンガー! 覚悟おーっ!」
「騙した恨みは重いよ! みんなたっーくさん投げちゃえ〜!」
「ぐああぁ! いてーよ、カンベンしてくれー! マジのマジでオレが悪かったからー!」


「ペリッパーれんらくじょ」の方面からライドとドリス、そして豆投げ大衆のおたけびが貫いた。
すぐにゲンガーの叫びも耳を突き通した。四匹は思わず耳をふさぐ。
「…ライドさん、ああ言いながら恨み、持ってたんですね」
「うーん…はらすと言うよりは節分として、二人とも単に楽しそうにやっているだけかもしれないノ」
「なるほどー。そうかもしれないなー」
「ソーォナンス!」

こうして。今日のひろばは終わりまで
ヒトカゲとワニノコ(とゲンガーの叫び)の声が飛び交っていたという。
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