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終了[1302] 怪獣とオレ

となりのモスギス ☆2012.05/19(土)09:53
小学生の頃、俺はシロガネ山で小さな怪獣を見つけた。俺はその小さな怪獣を拾って密かに家で育てた。
俺と怪獣はすっかり仲良くなり、かけがえのない友達になった。
昔から友達の少なかった俺にとって、小さな怪獣は大切な存在だった。
何年かして、小さな怪獣はいつの間にかサナギになっていた。
俺はその頃から人間不振となり、家に引きこもるようになった。
しかし、怪獣の方はサナギになっても相変わらず元気だった。まさに俺とは正反対だった。

そしてさらに年月が流れ、俺は成人になってしまった。今思えばあっという間だった気がする。
一度はサナギになった怪獣はというと、初めて出会った時とは見違えるような勇ましい姿になった。彼も俺と同じで大人になったということだ。

これは大人になった俺と怪獣の物語。
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となりのモスギス ☆2012.05/19(土)10:01
ある日、怪獣は言った。
「なぁ、俺より強いヤツっていると思うか?」
「さぁな。」
怪獣は自分が世界で一番強いポケモンだという絶対的な自信かあるらしい。確かにそこらへんのヤツには負けないと思う。しかし、まだまだ井の中の蛙なのかもしれない。

「知ってるか?俺って「竜の舞」が使えるんだぜ?」
「ならその「竜の舞」を舞ってみろ。」
怪獣はとりあえず「竜の舞」を舞った。しかし、素早くもなんともならなかった。一瞬だが、阿波おどりにさえ見えた。
聞いた話ではナマズやザリガニも「竜の舞」が舞えるらしいが、たかが知れている。

「そう言えば10万ボルトって実際に人間が食らったらどうなるのかな?」
「死ぬだろ。10万ボルトだから。」

ビリッビリッビリッビリッ!!

怪獣は俺に10まんボルトを使った。当然俺は黒焦げになった。
「…バカ…ホントに人間に使うヤツがあるか…」
「なんだ生きてるじゃねぇか。」

怪獣は10万ボルトを食らっても生きていた俺を見て笑った。
確かに人間、そう簡単に死んでたまるかと思った。
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となりのモスギス ☆2012.09/13(木)14:42
ある日、怪獣が不機嫌そうに言った。

「聞いてくれよ。こないだカバが俺の真似してたんだぜ。」
怪獣は例のカバが砂起こしをしていたのが気に食わなかったらしい。

「お前はお前、カバはカバだろ。」
俺はそう言っておいた。そもそも俺は例のカバに興味はない。

「それと最近さ、サイや頭突き恐竜や始祖鳥に競り負けてる気がするんだよ。」
怪獣はまた別のライバルたちの話題を持ち上げた。

「ソイツらが束になってもお前には勝てない。なぜならお前は俺の最高の相棒だからだ。」
俺がそう言うと、怪獣は照れくさそうな表情になった。

「じゃあさ、俺と萌えアニメだったらどっちが大事?」
「萌えアニメ。」

俺が即答したので怪獣はぶちキレた。
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となりのモスギス ☆2012.09/13(木)23:20
怪獣はいろいろなことが出来る。

人間には持てない荷物を持つことが出来る。
鉄板を噛み砕くことが出来る。
地震を起こして地形を変えることも出来る。
電気を操ることも出来る。
火を吐くことも出来る。
冷気を吐くことも出来る。
泳ぐことも出来る。
そして禁断のあの技も…

もっとも、禁断のあの技を使うように言ったことはないが、一度は使うように指事してみたかった。

そんなある日、俺は怪獣と共に町へ出かけた。
すると向こうで女の子が不良たちに絡まれていた。
その時俺は思わず怪獣に言ってしまった。

「破壊光線。」
怪獣の口から破壊光線発射!
不良たちは破壊光線によってどこかへふっ飛んでしまった。多分星になったのだろう。
女の子はお礼を言って帰っていった。一瞬ヒーローになった気分だった。

もっとも、俺と怪獣がその後警察に連行されたのは言うまでもない。
何せ、人助けのためとはいえ、人に向かって破壊光線を打つように命じてしまったのだから。
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となりのモスギス ☆2012.09/13(木)23:23
あれから警察を口説いて、なんとか釈放された俺と怪獣は、海に来ていた。

海に来た目的は、ビキニの女の子でも海の家でも海水浴でもない。単に海を眺めたいからである。

海上ではサーフィンをやってる連中がいる。サメに食われなければいいが…
海といえばサメよりクラゲの方が恐ろしい。何せ生息数が半端ない上に毒があるからだ。
中には腰を抜かすほど巨大なクラゲがいるというが見たことはない。

「そういやカメっていねぇかなぁ。カメを助けりゃ竜宮城に連れていってもらえるのにさ。」
怪獣は童話が好きらしい。竜宮城はロマンがあるが、そもそもカメがイジメられていなければことが始まらない。もしいたとしても、怪獣を乗せられるほど巨大なカメはいない。

双眼鏡を見たら、向こうでクジラの子供が潮を吹いている。
クジラは見ていて癒されるものだ。のんびりしている所が魅力的。

それにしても海は広い。なぜこんなに広いのか不思議に思った。
俺は海のように広い心を持ちたいと思った。
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となりのモスギス ☆2012.09/13(木)23:38
昨日、俺は森で緑色の芋虫を捕まえて家に連れて来た。
虫を嫌う人は多いが、この芋虫はなんだか可愛い。

「なぁ、その芋虫どうすんだよ?食べるのか?」
怪獣は肉食なので、芋虫が食べ物に見えたらしい。多分皮肉かもしれないが。

「飼うに決まってんだろ。食べたりするなよ。」
俺は芋虫を飼うことにした。

芋虫は遊び好きでよく糸を吐いた。餌もよく食べた。
どうやらこの芋虫は「キャタピー」という種類の芋虫らしい。


1週間後、芋虫はサナギになった。
一時は怪獣もサナギだったこともあったが、サナギとは思えないくらいによく動いていた。
しかし、このサナギはまるで動かず、ひたすら「かたくなる」ことしか出来ないらしい。

さらにその2週間後、サナギはついに蝶になった。
蝶が殻を破って出てくる様は命の神秘を感じさせた。

蝶は羽を羽ばたかせ、空の彼方へ飛んで行った。

俺と怪獣は蝶の旅立ちを黙って見送った。
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となりのモスギス ☆2012.09/15(土)12:48
今日は急にカモ鍋が食べたくなった。

買いに行くのも悪くはないが、野生のカモを捕まえた方が安上がりなので怪獣と一緒にカモを捕まえに行くことにした。

「鴨がネギしょって出て来てくれりゃ面白いよな。」
怪獣が冗談っぽく言った。
鴨がネギをしょって出て来たら、俺は逆立ちで家の周りを10周してやる。

すると茂みの方から鳥のような生き物が現れた。
それはよく見るとお目当ての鴨だった。しかもネギを持っている。

ホントにいた、ネギを持った鴨が…
そういえば昔、「カモネギ」という常にネギを持ち歩いている伝説の鴨がいると聞いたことがあるが、まさかコイツが…?

俺は急に鴨鍋を食べる気がなくなり、家に帰って家の周りを逆立ちで10周することにした。
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となりのモスギス ☆2012.09/15(土)13:07
今日はワニが住んでいると噂の湖にやって来た。

湖は静まりかえっている。ホントにワニなんか住んでいるのだろうか。
もしワニが襲ってきても、こっちには怪獣がいるので問題はないが…

とりあえず、釣りをすることにした。
しかし、釣れるのは赤い鯉と金魚ばかり。
やっぱりワニが住んでいるというのはデマだったのか。

すると突然、水しぶきが上がり、俺の目の前に巨大な青いワニが現れた。
やはりこの湖にはワニが生息していたのだ。

ワニは大きな口を開け、こちらを威嚇している。どうやら人間を警戒しているらしい。
すると怪獣がワニとなにやら会話を始めた。無論、俺にはわからない言葉で。

ワニは怪獣に説得されておとなしくなった。
「このワニ、なんて言ってる?」
「コイツさ、元々は人に買われてたんだけど、ここに捨てられたんだって。だから人間が嫌いなんだとさ。」

そうか、捨てられたのか。可哀想な話である。
野生のワニなんて変だとは思ったが、そういう事情だったのか。
さらに怪獣が言うには、このワニを捨てたのはポケモンマスターになることを諦めた少年らしい。

よくポケモンを平気で逃がす人がいるが、逃がしたポケモンはどこへ行くのだろうか?
このワニを見て考えさせられた。
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となりのモスギス ☆2012.09/15(土)13:56
ある日、家の前に黒いデブが寝転がっていた。

俺が蹴ったり殴ったりしても起きる気配はない。
怪獣を呼んで来るも、怪獣の力でも動かせないくらいにソイツは重かった。
そこで昔、誰かから貰った笛を吹いてみたらソイツは起き上がった。

黒いデブは俺と怪獣に襲いかかって来た。
怪獣は黒いデブに立ち向かっていった。
怪獣と黒いデブの凄まじい力対決が始まった。
しかし、勝負は長くは続かず、怪獣は凄まじいパワーで黒いデブを叩きのめした。
黒いデブは怪獣との力の差を思い知ると、そのままどこかへ去って行ってしまった。

「なんだったんだ…アイツ?」
「さぁな…?」

もしかしたらアイツは、噂で聞いたことがある「カビゴン」かもしれない。

翌日、その黒いデブが道路の真ん中で寝転がって道路が渋滞しているとニュースで報道されていた。
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となりのモスギス ☆2012.09/15(土)23:28
「俺、今日から旅に出る。」
突然、旅に出たいと言い出す怪獣。

「好きにすればいい。」
俺は受け流すように言った。

怪獣はそのまま家を出た。
どっせすぐに帰って来るだろうと思ったが、それから何日も怪獣は帰って来なかった。

怪獣のいない日常がこんなにもつまらないとは…
心にポッカリと穴が開いてしまった。

俺は今まで、怪獣がいるのが当たり前だと思っていた。
今まで怪獣と過ごして来たバカげた日常も、俺にとってかけがえのないものだったと思い知った。

怪獣がいないとやけに時間が経つのが遅く感じた。
そして、とても寂しくなって来た。

怪獣はいつ帰って来るんだろうと考えながら、日に日に時間だけが過ぎて行った。
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となりのモスギス ☆2012.09/15(土)23:34
怪獣が旅に出ると言って家を出てから、半年が経過した。

俺はあれからヒッキーから卒業し、なんとか就職して働いている。
人間って変わろうと思えば変われるものだと思った。

今、怪獣はどこで何をしているのだろうか。俺はいつも、そのことばかり考えていた。

そんなある日、休日に家で過ごしているとチァイムが鳴った。
俺がドアを開けると、あの怪獣が立っていた。

「ただいま。元気にしてたか?」

俺は怪獣が帰って来てくれたことが嬉しくて、思わず怪獣に抱きついた。
「お前、今までどこ行ってたんだよ…?」
「いろんな所を旅してたんだよ。思ったより時間掛かっちまったけどな。」
怪獣は無邪気に言った。

半年とはいえ、怪獣がいない時間はとても寂しかった。
でもまた、怪獣との日常が始まるのだと思うと凄く嬉しかった。
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