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連載[1309] その後の物語

リアン ★2013.10/24(木)20:41
「…これらの結果から、ポケモンには”特性”と呼ばれる特徴があ
ることが発見された、か。…面白いな」
興味深げにつぶやく若い青年の前で、30代ほどの白衣の男性は拳を
握りしめ、ウンウンと唸りながら熱く語る。
「そう!そうなんだよ!この”特性”によって、今までポケモンの
技や能力値、相性だけでは説明しきれなかった現象が解明されたん
だ!つまりこれは世紀の大発見だ!すごい、すごいよオダマキ博士!!」
無邪気に子どものようにはしゃいでいる男性に対し、ああ、しまっ
たな、と青年―ゴールドは思った。
一度スイッチが入ると、同行者の白衣の男性の話はなかなか止まら
ないからだ。
白衣の男性―ウツギ博士の話はまだまだ続く。
「ということで、特性もまたポケモンが卵から孵る際に遺伝学的な
メカニズムがあると思うんだよそれについてオダマキ博士と一度話
したいと思ってたから今回の学会にオダマキ博士が来るのがとても
嬉しいねわくわくするなーもうドキドキとまらないよぐふふふふ早
くつかないかなホウエン地方向こうのポケモンのサンプルも欲しいな」
最早興奮しすぎて呼吸をすることも忘れたかのようにノンストップ
で話し続けるウツギ博士。
その表情はもう完全にトリップした危険なものだった。
何気なく涎まで垂らしている。
こうなると、もう満足するまでウツギ博士は止まらない。
諦めて、ウツギ博士の言葉を適当に聞き流しながら、ゴールドは窓
の外に視線を投げた。

一面に広がる、海海海。
もう、この光景にも飽きたな、と1人ごちる。

ウツギ博士の言葉にあったように、今、ゴールドはウツギ博士と共
にホウエン地方をめざし、フェリー「アクア・レリッシュ」号に
乗っていた。

ホウエン地方に赴くことになったきっかけは、ウツギ博士に、ホウエ
ン地方のポケモン学会に参加するけれど、よかったらボディガード
として一緒に行かないかい?と誘われた事だ。
宿泊費と交通費は全て持つよと言われ、退屈だからどこか旅行に行
きたいなーと軽く考えていたゴールドは二つ返事でOKした。
旅行する際に、自分の身を守ってくれるポケモンやトレーナーがい
るに越したことは無い。
特に、ポケモン遺伝学の権威であるウツギ博士のような研究者は、
自らの研究を悪用されない為にも、身を守る必要があった。
そういった意味で、ジョウトリーグチャンピオンというトップ中の
トップの実力を持ち、尚且つ小さいころから成長を見守ってきた
ゴールドは、護衛に最適だったのだ。

「ポケモンの特性は既に何十種類も発見されてるんだけど、僕はま
だまだ出てくると思うんだホウエン地方に生息していない例えば
ジョウトのみに生息するポケモンとかを調べてみたらきっと何か」
「…」

波に揺られること早5日。もう2日もすれば、ホウエン地方に着く。
ゴールドは目を閉じ、ウツギ博士の息継ぎなしの一方的な話をBGM
に、眠り始めた。
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リアン ★2013.10/24(木)20:41
第1話 やっと着きました

結局、あれから2日ではなく4日かけてフェリーはホウエン地方の港街・カイナシティへとついた。
距離的には本来9日もかかるわけはないのだが、そこはポケモン世界の実情。
時々海に住むポケモンたちが襲い掛かってくることもあり、それで遅くなることも多々あるのだった。
ちなみに今回道中を阻害してきたのは不幸にも遭遇してしまった繁殖期で気が立っていたサメハダーさん達である。
折角ラブラブで良い雰囲気だったのに、そこにどでかいフェリーが俺が通るぜと無神経に突入してくれば、腹が立つのも仕方なかろう。
今回の件はサメハダーさん達をかなり怒らせたらしく、どれだけ進んでも船の周りを常に十数頭が取り囲んでついてきた。
フェリーは頑丈にできているとはいえ、ポケモンが繰り出してくる攻撃もまた強力である。
昼はもとより、夜も徹夜で一生懸命サメハダーを追い払う船乗りさんたちとそのポケモンさん達は大変そうであった

「よっと」

足音も軽く、ゴールドはステップから降りた。
一方、ウツギ博士は、

「うえぇ…」

サメハダーの突撃で四日四晩常にフェリーが揺られ続けたせいで、ウツギ博士は船酔いでボロボロだった。顔が真っ青である。

「大丈夫ですか、博士」

余りの顔色の悪さにゴールドが声をかけると、ウツギ博士は蒼い顔で、しかし瞳をらんらんと輝かせ、

「ついに着いた…ついに着いたぞ」

研究者って強いなあ、とゴールドは思った。

「まあ、とりあえず宿行きましょうか」

「…そうだね。おえっぷ」

「ちょ、ここで吐いちゃダメだって―!!」


今回取っているカイナシティのお宿、その名もまんまの「ホテル・カイナ」。
何とかウツギ博士が吐く前に、予約していた部屋にゴールドはチェックインすることに成功した。

「トイレ―!!」

ウツギ博士は部屋に入るなり、叫びながら俊敏な動作でトイレへと駆けこんでいった。
音を聞きたくないので、ゴールドはもう一部屋とってあった自分の
部屋へと素早く非難した。
落ち着いた頃合いに、様子を見に行けばよいだろう。

手持無沙汰に携帯端末を開く。
メールの着信が一見来ていた。
メールの内容は今回ホテルで落ち合う予定の人間からのもので、簡潔に一言、

「遅れr」

とだけ打ち込まれていた。

奴らしいといえば奴らしいな、と思いながら、ゴールドはウツギ博士を待つ間、読書を始めた。
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