万策つきて天下の秋を知る。

これからの過ぎ行く時の話をしましょう。来年の平成十年は日本経済の崩壊の年になります。
 思い起こせばあの平成元年に東京株がソロモン・ブラザーズの裁定取引の決済によって大暴落を記録したとき、それはこの信用取引という博打経済システムの限界を示す「一葉落ちて天下の秋を知る」であったはずなのです。
 平成元年、すでに官僚の一部には天下の秋を感じた方がおいでになりました。この時点で日本が国際・国内博打経済から撤退し、国際戦略から撤退し、貿易を縮小し、もう一度徳川の鎖国を手本にして『経済撤退戦』を戦い抜けばよかったのです。
 この時は、大東亜戦争にたとえて言えばミッドウエー海戦に相当します。拡大を慎み、自らの手の届く範囲を、十分補給の手の届く範囲にまで撤退し守りを固めるときであったはずなのです。それは宇野正美氏が言うように生活水準をたった二十年引き下げるだけで良かったのです。
 しかし皆さんはこれまでの他人様に依存した甘い夢と便利なお手軽な生活を手放すことができなかったのです。その結果、今の拡大する信用経済システムを守るため、あらゆる手を使ってきました。それが今の状況とこれからの惨状を産むことになったのです。
 東京・バブルは完全に崩壊し、日本はデフレ・スパイラルに落ち込んでしまいました。
総ての手段を使っても所詮は制度疲労に太刀
打ちすることは不可能なのです。
戦略の失敗を戦術で補うことができないのと同じです。
季節が移り行くのを人がとどめられないのと
同じなのです。
この年、世の中を動かすパラダイムの方向が変わったのです。
 この平成元年に皆さんが自ら「便利・簡単・気持ちいい生活」という既得権益を手放したらよかったのです。
喰い散らかすことをやめ、食料品の値上げを甘受し、百姓の生活を支え、食料自給率を上げればよかったのです。
少しの寒い暑いを我慢して、下らぬ無精のための自動化などにエネルギーを使うことをやめ、電気・ガス・石油化学製品を節約して省エネに務め、今のように太陽光発電、太陽熱蓄熱システムやコジェネ売電などを積極的に推進してエネルギー自給率を上げるべきであったのです。
 利鞘稼ぎの投資などをやめ、株式制度の原点に還り、生産の支援としての投資に徹し、汗を流し物を作り上げることを美徳とすべきであったのです。 そうすればまだ少しは金の余裕があったこの十年の間に、ある程度の備えができ新しい社会システムへそんなに苦痛を伴わずに移行できたはずでした。
 しかしいまさら言っても仕方がありません。
今私どもは覚悟し腹をくくるときが来たことを感じなければなりません。
いえいえ、判りたくなければ判らなくてもいいのです。
この二年の間に皆さんはこの事実を身を持って
体験し、そして身を持って知ることになるでしょう。 今から総ての社会システムが内部崩壊してゆくのを目の当たりに見て、そして今の社会システムに依存していれば依存しているほど激しく、その衝撃に嫌が応でも巻き込まれていくことになります。


今の生活システムの土台が崩壊する。

 偉そうにこの文章を書いている筆者河井も例外ではありません。やはり皆さんよりも少しは依存度が少ないとはいえ、日本という国に住んでいる以上、所詮は皆さんと五十歩百歩ドングリの背くらべです。
 総ての法律、社会制度、円を基準とした通貨制度、総ての物を金で評価し、売り手買い手の欲により物の値打ちも金の値打ちも変わる変動相場制を基本とした市場経済システム、原料を輸入し製品を輸出してその付加価値のみで国家経済を支えている貿易立国体制、世界規模で行なわれている金で金を買うバクチである変動通貨システム、などなど。私どもは好む好まざるをえずこのシステムの上に住んでいます。
 このシステムが崩れたときどうなるか、今から具体的にお話していきましょう。
まず初めは日本の経済崩壊です。
 


日本の経済崩壊の理由。

 これは東京バブル破綻のツケ払いです。
今までに東京株が値下がりした分のほとんどは
、海外機関投資家と呼ばれるソロモン・ブラザーズなどの投資銀行や、ジョージ・ソロスのような国際金融資本と呼ばれる連中の、日本企業株の売浴びせによるものです。
 バブル崩壊寸前の天井高値から幾度も波打ちを繰り返した天井相場で彼らは間違いなく必ず売り抜け、そしてその株を売った代金は総てニューヨーク株に化けたわけですから、日本からものすごく大量の金がアメリカに流れたことになります。
この日本全体が損した分の金は日本国民の誰かがババを引いて精算しなければなりません。
直接株を扱っていた証券会社、銀行、生保などの国内機関投資家は今精算の真っ最中です。
 さてこの機関投資家は自分の金で博打をしていなかったわけで、その金は預貯金・保険金などという名目で皆さんから借りたものです。
つまり最後にババを引くのは金融機関に金を貸した皆さんお一人おひとりになります。
 また東京バブルには株以外にもうひとつ賭博のネタがありました。
知ってのとおり土地バブルです。
日本中の企業を含めた皆さん方はこの土地で賭博を張っていたのですが、土地バブルの崩壊により皆さんは博打に負けたのです。
 このバクチ、自分の身銭だけ切っていれば良かったのですが、「必ず勝つ」と信じて金融機関から借金して打った博打がほとんどですから、負けて残るは金融機関から借りた借金だけ。
 皆が貧乏になったから不景気になって財布
の紐が堅くなる。
みんなが物やサービスに金を使わないから売り上げは落ちる。
となると本業がはやらないから儲けは少なくなる。
儲けが少ないから本業では借金が返せない。
というわけで金融機関から見ると貸した金が返ってこない。
 でも金融機関は機関投資家であったわけで株の博打で大損した。
つまり皆さんに借りた金を使い込んだ形になってるので、皆さんに返さにゃならん。
というわけで担保にとった土地を競売にかけようとするけれど、不景気なのでまず売れない。
例え売れても土地が値下がりしてるので貸した金全額は回収できない。
だから金融機関は貸した相手、つまり企業や借金をした皆さんに資産を売ってでも借金を払うように迫る。


土地が売れなくなれば。

 でも企業も皆さんも買った土地は不景気な
のでまず売れない。
例え売れても土地が値下がりしているので借金を全額返せない。
その企業の代表がゼネコンと呼ばれる総合建設会社。
工事を受注した相手はゴルフ場とマンション、リゾート施設。
不景気になったからリゾートはダメ。
ゴルフ場の会員権やマンションは博打の対象の小バブルやったけど、これも破裂したからダメ。
というわけで工事がストップしたり、相手の会社が倒産したりして代金が入らない。
だから今ゼネコンが倒産してる。
 ゼネコンは親会社。
実際に建設するのはいくつもの下請けの集合体やし、下請けの職人はいくつもの孫請けがやってる。
ということは親亀転けたらみな転けるわけ。
零細の曽孫請けクラスの土建屋になったら経理もどんぶり勘定やさかい、ちょっとでも仕事が途切れたらすぐ倒産や。
みんなで談合してでも平等に仕事まわすんは失業対策でもあったわけ。
でも親亀が転けたら、当然仕事自体が減るか
ら職人さんの失業が増えるやろうなぁ。
  不景気。
不景気になったら困るのがまず夜の飲食業界。 バブルの時に接待で客が入ってたのが不景気になったら接待がなくなる。
高級料理店、これはバブルの金余りの時のみん
なの浮かれ飽食で稼いでたけど、財布の紐が堅くなったからもうダメ。
家電、自動車、これもあってもなくてもええ物やし、早々壊れるもんでもない。
だいたいみんなもう持ってるし、バブルの時にいっぱい買い込んだもんね。
  加えて企業はバブルの時に過剰な設備投資
したことが裏目になって借金漬けになってるからダメ。
今元気なんはコンピューターと通信やけど、これも生活必需品でもないし誰でも扱えるもんでもない。
実際コンピューター買うても家庭では使いこなせない、使い道がない、あっても仕方ないことがだんだんみんな判ってきたから売り上げが落ちてきてる。
  インターネットも家庭で使う分には基本的にはカタログでしかないので、調べたいことがはっきりしてたり、河井のようにみんなに言いたいことが貯まってて情報発信しとうてしとうてたまらんヤツやないと、いくらネット・サーフィンして遊んだところでカタログ雑誌の代わりになる程度のもの。
 通信にしてもしかり。
所詮は携帯電話とPHSで世間話とビジネス話するだけやから会話時間が増えるだけ。
情報通信なんか家庭では誰も使いこなせない、だいたいいらない。
コンピューターや通信機器など大人のおもちゃに過ぎんのでみんながオモチャに飽きたら需要は落ちる。
 この不景気の時代は、ホンマに要るものだけが生き残っていく時代になると言っていい。
人の見栄と欲を時代が削ぎ落としてくれると言ってもいい。


公共団体も危ない。

 けど、何にせよバブルの時期にホントに必要でないようなものがホントに必要なものを押しつぶして大きくなってしもうた。
 日本の国とか県市町村ていう公共団体は、その必要でないようなものが稼いだアブク銭から税金を取って予算を組んだわけ。
予算というのは単年度で終わるものじゃあない。ひとつの開発計画いうものは五年十年で予算つけるものだから、一度動きだしたらもう途中ではやめられない止まらない。
  というわけで地方公共団体までが金融機関を通じて県債などの借金をした。
バブルが弾けて金がなくなるなんて誰も思わなかったから。
神戸株式会社と呼ばれた神戸市は日本だけじゃなくて外国にまで借金して公共事業を行なった。
今は昔の物語、強者どもの夢の跡。
脆くも関西大震災で今台所は火の車。
  さてや他の地方公共団体も、不況で税金の入りが少なくてもう借金を返す当てもナシ。
もちろん国も同じこと。
となると誰しも考えるのは貸した金の取り立てと相場が決まってる。


思えど返らぬ『米財務証券』

 アメリカに日本が貸した金の借用証書が
『財務証券』と前に説明した。
これを他の国に転売したら現金のドルが入ってくる仕組み。
 このあいだ我が橋本首相が「かつて『財務証券』を売りたいという衝動にかられたことがある。」と発言してニューヨーク株が暴落した。
貧乏な日本にとっては、それほどにアメリカの『財務証券』売って金を作りたいのはやまやまだけど、それをやってアメリカから追放されたのが大和証券。
 あれは表では株の不正取引のためと言われてるけど、その裏は株の先物で失敗したツケを『財務証券』を売って穴埋めしようとしたことがアメリカの逆鱗に触れたというのがホントのところ。
  アメリカは今景気が良い。
でもアメリカの繁栄は自らの生産によるものではなく、その半分以上が他の国からの資金の流入、つまり借金で成り立っている。
みんながアメリカに金を貸すわけは、株が毎日値を上げていたからと、『財務証券』の利息が高いから。
要するに自分の国よりもどの国よりもアメリカに
金貸したら儲けられるという思わせぶりな政策を取ってるから。
 だから『財務証券』が大量に売られると『変動相場制市場経済システム』が働くから『財務証券』の値段が下がって、儲からないことが判るとみんなが『財務証券』を買ってくれなくなる。
そしたらアメリカに金が入らなくなるから『財務証券』を売るようなヤツは力づくで制裁する。
それも「『財務証券』を売ったから制裁を受けた」ということが表にでないように別件で理由をつけて、これがアメリカの論理。


史上最低の日銀公定歩合の理由。

 もうひとつ、日本が史上最低の公定歩合を今だに上げさせてもらえないのもその関係。
もし日本の利率がよくなったら、わざわざアメリカに貸さなくてもよくなるから。
だからアメリカにとっても日本の経済が崩壊してしまうことにはデリケートにならざるを得ない状況になってるわけだけど、日本の経済がある程度まわってくれんとニューヨーク・バブルに飛び火しかねんわけやけど、と言うて今日本が輸出中心に景気回復政策とったら、せっかくアメリカに集めた金がまた日本に戻ってしまってアメリカの貿易赤字が増えるから、円安になりすぎるのも今は困る。
  アメリカの思惑は「日本の国民がチビチビと貯めた金で必要ないものを買って、その金が日本の企業に入ってきたとき、日本の低金利よりぶっちぎりに割のいい『財務証券』の利率に釣られてアメリカに金を流させる」ことにある。
そんなことにも気づかないほどみんな阿呆になってしもうた。


内需拡大は不可能。

 でも内需拡大しようにも、みんなに金がなくなったのと、しっかり物は持ってるのと、新しい博打の元手がない、ネタがないときたら内需拡大なんか不可能。
というわけで、今は日本はジリ貧。
 「もうちょっと待ったら人の気持ちも変わって少しは物を買ってくれるようになるだろう」なんて何の根拠もない希望的観測にわずかな希望をかけて待つだけしかできないのが実情なんです。
 でもよくよく考えてみてください。
まずこの不景気のそもそもの原因は、皆さんの「お気楽主義」にあったこと、見栄と欲がバブルを作ったこと、虚業が実業を支配したこと、『お金』ばかりでなく『お金もどき』『お金まがい』までが人の心を支配してしまったこと、そして東京バブルが潰れて海外に逃げた『お金』の後始末のババの引き合いをしているのがこの不況の直接の原因であること、そうでしょう?
だから日本人全部が満遍なくツケ払いをして、みんなが等しく貧しくなるまでこの不況は終わりませんよ。


不況が続くということは。

 不況が続くっていうことは税金が入らなくなっていくということです。
税金が入らない時に、国や県や市町村が倒産しないためになすべきことはふたつだけ。
 ひとつ、予算を減らして税収に見合うだけの支払いに減らすこと。
でもすでに今、国債や政府のローンを返すための予算と、公務員の人件費で年間予算の何割かが支払われている。
今は借金を返さないと倒産するわけだから借金の支払い凍結は論外。
となると当然、税収に見合った予算を組むしかない。
ということは必然的に公務員の大量解雇、公共事業の停止となります。
そうすると当然、日本のゼネコンを中心とする土木建築業界は総崩れとなります。
また公務員の大量解雇はそれ自体の退職金によって予算を圧迫します。
また公務員が少なくなることによって公共サービスは低下し、税金によって補助されていた事業は民間に移され、利用者の全額自費払いとなります。
 ふたつめ、収入をあげること。
これには二通りの方法がある。
増税と赤字国債。
借金を増やすのは論外だからこれは却下。
となると増税しかない。
それも半端な増税なんかはよけいに景気を悪くするだけだから、今の日本の累積赤字には焼け石に水だから短期大規模大増税がベスト。
はっきり言うて、今日本が倒産しないためにできる唯一の方法はこれだけ。


妙手、平成の大政奉還

 河井としては明治の大政奉還に倣うのが良かろうと思います。
 つまり総ての日本国民が、自らの土地・建物など不動産の利用権を留保したまま、所有権をいったん日本政府に総て物納で納税する。
この書面だけの地価や建物の価格などという数字を日本国の借金に充当し、そのうえで徳政令を行なって日本国民の間での総ての債務債権を無効とする。
 対外的な債務はアメリカ『財務証券』をもって支払うこととすれば、対外的にはドルと同等のものを支払うわけであって、また財務債権を売るわけではないので財務債権が値下がりすることもないはずだから為替相場や債権相場にも影響はないはず。
また日本の対外収支は黒字のはずだから今なら外貨準備にも問題がないはず。
 庶民生活だって今まで持っているものはそのまま使えるわけだから何も変化はない。
貸した人借りた人の間で一悶着あるかも知れないけど、日本国内だけで見たら借りたヤツのほうが貸したヤツの数より圧倒的に多い。
借りた金も貸した金より圧倒的に多いはず。
それに損する貸し手にしても、大体金貸しとる
ヤツはたいがい自分も金借りとることが多いから、純粋に損する「貸しただけのヤツ」なんかそんなにおれへんハズや。
 だいたい「金貸して利子を取る」行為いうのは、いにしえの昔からユダヤ教でもキリスト教でもイスラム教でも禁止されとる浅ましい行為や。
国際金融資本(世界を股にかけた大銀行財閥のこと)から金もろうてロシア革命起こした恥知らずのマルクスさんの共産主義理論でも、不労所得は認められへんかった
はずや。
河井などは母親から懇々とこう聞いて育った。
「人に金貸すときは、かの金はその人にあげるもんやと思うて貸してあげなさい。」、これが日本人の心情ちゅうもんや。


平成の大政奉還の実際。

 江戸時代の『士農工商』までの身分制度は、『士』つまり「政治家や公務員」が『農』つまり百姓より上に来とる以外はよう考えてあったと思う。
 つまり金貸しが少々きつい思いしても、日本倒産という最悪の事態の混乱と較べたら、それくらいの混乱は仕方がないと割り切るしかない。
そしてその後の固定資産税は借地料と名前を変えて政府に納めることになる。
 どうせ、総てのものなんて元をたどれば自然から天然資源として与えてもらっている預かり物でしょう?
死んだら持ってけないもんでしょう?
人間がゼロから造り出したものなんかひとつだってないじゃないですか。
自分のもの(私的所有)なんて言うほうがおかし
いのよ。
 政府に納税するというのが気にいらんのなら、自分勝手に日本の国土という自然から盗んだ地面を、日本の国土に、日本の自然にお返しすると言ってもいい。
これは一面では暴力的環境保護運動とも言えるし、一面では右翼国家主義だし、一面では左翼共産主義革命でもある。
このためには憲法を停止し、民法商法税法など総ての関連法規を無効にする必要があるので、どうしてもクーデターと戒厳令という形をとるしかない。
となるとこれは民主主義の否定であって法治国家の否定である。
 というように悪名を総てひっかぶることになるけれど、もうこれができない限り日本は倒産するしかない。
でもできんだろうなぁ…。
と言うわけなので後は時間の問題。


行政が倒産する時。

 さて、国家や地方公共団体が倒産するということはどういうことなのでしょう。
企業の倒産をまず想像していただければお判りのように、職員、つまり公務員に給料が払えなく
なります。
 公務員としての自分の仕事が好きで好きで
たまらない、その仕事を天才としている人は
別格。
こんな人はちょっと横に居いといて、普通の職員はやはり給料をもらうために働いているわけです。 ということはやっぱり金の切れ目が縁の切れ目。 サボタージュが始まります。
 今あなたが国や県や市町村に依存していることはどのくらいありますか?
生ゴミの回収、上下水道、市バス地下鉄、警察、道路の補修、河川の改修、あと諸々。
これができなくなるということです。
そして債権者の取り立てが始まります。破産管財人がおかれてその貸した額の大きさの割合に応じて、国や県や市町村の財産を山分けするのです。
 またこれが会社の場合には、貸し手が新しいオーナーとして会社債権にあたることもあります。これを国などに当てはめますと、貸し手が「日本という国や県や市町村を経営し運営するという事態」が考えられます。
 「国、県、市町村を運営する。」とはいったいどういうことでしょうか?
簡単には「その一定の範囲の土地に住む住民のうち、この国なり地方公共団体に帰属することを表明した住民の『最低の』安全を確保し、帰属を拒
否した住民を追い出したり処分する、そのかわりに帰属した住民からから税を取り立てる。」という一連の作業のことを言います。
 皆さんに覚えていただきたいのは「帰属住民の安全を守る、最低の生活を守る、治安を守るという名目の『武力行為(暴力行為)』こそ、最高の『住民福祉』である。」という事実です。
ヤクザ屋さんのミカジメ料と本質は同じです。


日本は再占領される。

 さて、貸し手、つまり新しく君臨するオーナーが日本人であれば、織田信長の時代と同じく戦国時代のように『ある一家』が住民を支配することになるでしょう。
しかし、もしも貸し手が日本国民ではなく外国人であったなら?
日本倒産から日本乗っ取りとなるわけ
です。
最悪の事態は借金のかたに、日本再占領が行なわれることです。
 いずれにせよ、このままで進むと必ずごく近いうちに日本政府は『国債』という借金が返せなくなって倒産しますよ。
地方公共団体も倒産しますよ。
あなたの会社も倒産しますよ。
失業者が街にあふれ、失業保険も払えなくなりますよ。
年金、もう返りません。
銀行、十数社に統合、倒産させられるでしょう。
そして外資系との合併により外資系が支配するでしょう。
生命保険、大手数社と外資系しか残りません。 医療保険、もうすぐ破綻して全額自費払いになります。
介護保険、夢の夢。
ボーナス?職があるだけで感謝する時代に
なります。
 『お金の値打ち』、なくなります。
『円』の値打ち、ニューヨーク・バブルが破裂する一瞬だけ円高になる可能性がありますけど、基本的には他の国の通貨に較べたら紙切れになるでしょう。
輸入品、ものすごーく高くなります。
生活必需品のほとんどの原料を輸入に頼っているこの御時世、そして流通革命のために卸問屋がなくなって、製品や原料の在庫がなくなってますから、コンビニなど小売店から一気に物が消えてしまい、補充されることはないでしょう。


都市から食料が消えるとき

 特に食料は致命的です。
食糧穀物である米が三割自給を切っているのにみんなが飢えないのは、輸入小麦や、肉、魚などの副食の比率が大きくなったからです。
この輸入品が高くなって買い切れなくなるとみんなが米を食べるようになり、当然ひとりあたりの米の消費量は増えることになりますので、米の自給
率はもっと低くなります。
 当然米の価格は暴騰し米が買えない状況に
なります。
当たり前のことですが、ラーメンやうどん・そばなどの小麦粉製品、食用油・豆腐などの大豆・トウモロコシ製品はなくなると思ってください。
そのほとんど百パーセ
ントが輸入品です。
肉も加工用の輸入肉が止まります。
魚も遠洋漁業の船の重油が足りなくなりますから品薄になります。
 「油の一滴、血の一滴」という言葉が復活し、産業用用のガソリン・軽油・灯油・重油が最優先とされ、民生用は配給制になるでしょう。
また火力発電所用の燃料用重油が足りなくなるため、業務用電力が優先され家庭用電力は時間配給制になります。
しかし完全に配線が別れているわけではないので、ライフラインに関係する電力だけを除くことは不可能でしょう。
つまり、時間制の完全停電が始まります。
 停電時間の間はエレベーターも止まるので、高層マンションに住んでいる方は足腰が強くなります。
水道からビルの屋上の水タンクに水を汲み上げるためのポンプも止まりますから、タンクの水がなくなったら断水になります。
飲水も出ませんが水洗トイレの水も止まりますので、トイレはウンコで詰まることになります。
都市ガスも時間配給制になるでしょう。
プロパンガスはおいそれと買える値段ではなくなります。
 この状況は当然大都市圏が悲惨になります。
最終的に政府自体が何もしてくれない、否したくてもできないと判ったとき、都会から田舎へ向けての国民大移動が始まるでしょう。


国民が国に愛想を尽かせたときに。

 神戸の震災で人が動かなかったのは、「おとなしく待ってたら国がそのうち何とかしてくれるやろ…」という国に対する信用、言い換えれば国に対する依存心が強かったからです。
そして国は不十分ながらその依存心を満
足させました。
それは平成5年という経済状態だからできたことです。
あと二年過ったら何をする余裕もありません。
 だいたい神戸でも、あれだけ援助が受けられたにもかかわらず、十分満足できなかった人は怒っています。
依存心を満足できないときにはすぐに怒りと攻撃とや妬みに転じます。
だからこの時の移動民は暴徒と化する危険があります。
その時道路は渋滞し、自動車は使えないはずです。
 関東大震災の時、東京の人口はまだ140万人だったそうです。
そして震災の後すぐ、そのうちの約40万人は東北などの田舎の実家へ避難しました。
また関東といっても山手線の外はほとんどがまだ農村でした。
飢えた住民の数と供給可能な食糧の量のバランスが供給過剰にあった。
だから震災の復興は住民の自力救済が可能だったのです。
 しかし今回のライフ・ライン崩壊によるパニックでは、圧倒的に供給不可能です。
飢えた都会人がイナゴのように都会の周辺の農村へ大移動を始めます。
彼らには大正時代と違って帰る田舎もありません。
また、田舎も減反に次ぐ減反、土地の転用などにより、余剰人口を受け入れる余裕はありません。
食糧をめぐる暴力トラブルが大規模に起こるでしょう。


田舎も崩壊する

 では田舎なら安全なのかといいますと、それもそんなに単純には行かない。
都会よりもマシとはいえ、今農協に借金していない農家などほとんどありません。
つまり、都会のライフ・ラインが破綻する前に、経済破綻は農家を襲います。
 平成9年10月、第五十回農協全国大会の中で「一昨年昨年そして今年と『豊作が続いたおかげで』米の相場が下がり、農家の収入が減り続けている。
これ以上の米の市場価格の低下が進むなら、低下分の一部を政府に補填してもらう必要がある。」という政府に向けてのアピールが出されました。
これは農家から出された意見と思ってはいけません。
 実は農協に対する農家の借金は、農協が農家から集めて出荷した、毎年の米の代金と相殺されてしまいます。
だから米の売り上げ代金は農家にはほとんど手渡されていません。
つまりバブルに深入りしたり、経営戦略をよみちがえ農家に莫大な赤字を追わせた借金漬かりの農協が、唯一確実な借金返済である米価格が下がったため、断末魔の悲鳴を上げたと解釈すべきでしょう。


米の暴落で田舎は崩壊する。

 今年平成9年の米の相場は確実に暴落します。 来年平成10年の春、農家は馬鹿らしくて作付面積を減らすでしょう。
いくら米を作っても、農協への支払い、農機具のローン、農薬代、肥料代、軽油代、水利費、土地改良事業のローンなどの現金支出などですでにほとんど儲けにならない米なのに、今年さらに相場が下がれば原価割れをする産地が出ますからね。
今百姓の現金収入は、『野菜作り』『花作り』で成功をおさめた極々わずかの農家を除き、第二種兼業の給料や冬場の土建業の日雇い収入なのです。
 当然景気の悪化はローカル都市にも波及します。
失業や給料の減収は避けることはできません。今の農家の考え方は、『自分の食べる分だけ作れればいい。』なのですよ。
『もし金が入らんかっても食べていけさえすれば
いい。』こうなると困るのは貸した金が返ってこなくなる農協なのです。
農協自体が借金漬けになっているのに、貸した先の農家から金が入らない。
農協は破産の危機を迎えています。


農協の崩壊が農家を道連れにする。

 そして農協自体が構成農家による無限責任制度であるという恐ろしい事実。
今農協は、返済が滞っている農家に対して、農業をやめて街に働きに出て、現金収入を得て借金を返済するように、またその親族を呼びつけて本人に代わって返済するように強く迫ったりしているという話を聞きます。
このような違法すれすれの行為をおこなっているのは、だいたいが『県信連(県農協信用連合会)』の債権回収のプロで、ヤクザ顔負けの脅しをかけるそうです。
そしてあまりの激しい回収方法に耐えれず、追いつめられ自殺する百姓もあります。
 このような農協の態度に対して心ある百姓は「百姓あっての農協なのに、まるでタコが自分の足を喰うとるようなものだ。そのうち自分たちに必ずはねかえってくる」と語ります。
そして農協が倒産したとき、法人としての農協の借金は構成農家で頭割りになり、さらなる負担として農家にのしかかってゆくでしょう。
 もっと恐いことには、農協の持つ農家の借用証書つまり債権は、その農家の知らない間に、会社などの第三者に転売されているという事実です。
これは河井はこの目で登記簿謄本を確認しています。
これはいったいどう考えたらいいのでしょう?
さすがに理解に苦しみます。
何はともあれ、来年には農村、農家にも大変な変革期が訪れるでしょう。
 農家の試練は、農協の崩壊による、農協に完全に依存していた「社会システムとの関わり方の破綻と自立」です。また過疎化と高齢化、廃農者の続発により、血縁を中心にした身内贔屓・長年の怨恨などに基づく農村運営の常識(都会での非常識)が音をたてて崩れゆき、今までの隣保班などの昔ながらの排他的共同体運営ができなくなることです。
都会に先立ち、一時的に農村は完全に崩壊するでしょう。


田舎の再生は他所者にかかっている。

 そしてその後都会人という他所者の流れ込みにより、新しい姿になって再生することになります。 一連のオウム事件で、静岡の上九一色村や熊本の波野村で起きたような農村の文化と移住者の文化の対立が起こり、しかしお互いに生きてゆくために、否応なく考えを変えざるを得なくなります。
もしかしたら北朝鮮の崩壊による武装難民の流れ込みも可能性としてはかなり大きいものがあります。
 いずれにせよ、都会人も百姓も、もしかしたら朝鮮難民の人も、総ての人が飢餓と流血を避けるために、背に腹は代えられず自らの生活パターンや社会常識を変えねばならないときが近づいています。
この時、農村の廃農、過疎化、高齢化による人的労働力不足と、軽油不足による農機具の稼動低下が、流れ込まれる者、流れ込む者双方にとって逆に幸いすることになるでしょう。


「ほんならこれからどないしたらええんや!」と思った人は 処方箋「みそぎの時代」 をお読みください。