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2月23日〜3月1日

つもりも無いのにカウンセラー

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 先週も最後のほうに少しばかり書いたが、この時期、担当している受験生から、試験結果が続々と報告される。内部進学で、付属高校から早々に大学に合格した者もいれば、なかなか決まらず、三月入試を控えてがんばっている者もいる。僕の担当は高校生だけだったのだが、うちの塾では、中学三年生は全員高校に合格したようだ。
 その僕の担当生徒の中に、一人、ちょっと気弱な女の子がいる。受験になかなかうまくいかず、三月の初旬に最後の試験が待っている。率直なところ、この試験がだめだったらもう一年勉強することになる。それは本人も納得済みで、ご家族の方々も了承しているようだが、それでもやはり、今年度中に大学に入りたいと言っている。

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 以前、その子から、不合格通知が届いたときに、電話があった。まあ言わずもがな、かなり暗い声をしていたのだが、一時間弱もしゃべった後は、それなりに元気を取り戻してくれたようだ。次の授業のときに、僕はこんなことを言われた。彼女いわく、もしかしたら、僕は心理カウンセラーになれるかもしれない、ということだ。
 相手が落ち込んでいるとき、同情するのもまずいし、かといって、あまりに励ますのもわざとらしい。その点、僕はちょうど良い具合に接してくれる、というのだ。自分ではよく分からないのだが、無意識のうちにそのように行動しているのだろうか。ただ単に、愚痴を聞いてあげているだけのような気もするが。

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 そういえば、思い当たる節がある。というのも、以前僕の友人が、我が家に来ると何故か語ってしまうと言っていたのを聞いたことがあるのだ。僕が出不精なだけで、仕方なく家の中で話をしているだけだと思っていたのだが、僕はある程度相づちを打つ技量があり、ついつい将来のこととか自分の今の精神状態などを語ってしまうらしい。
 決して自慢するわけではない。何しろ、僕はそのような意識はまったく無いのだ。世の中のカウンセラーの方々は、きちんと考えて相手の心の負担を軽くしている。僕にはそのような才能は無さそうだ。意識してしまったら、途端にぎこちなくなってしまうに違いない。でも、僕と話していて気持ちが少しでも休まれば、それはそれで素直に嬉しいことだ。

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 ところで、先ほど触れた生徒は、僕が国語を担当し、もう一人別の講師が英語を担当している。この講師は僕とは違い、非常にまじめな先生で、授業にも定評がある。後で聞いた話だが、前述の生徒は、ある学校に補欠合格をしていた。でも、報告したのはこの先生だけだった。僕は直には聞かず、この先生から間接的に聞いたのだった。
 そのことを生徒に聞くと、不合格のときは僕、合格のときはもう一人の先生に報告しているという。どうやら、僕らを使い分けているらしい。そう考えると、僕はただ単に、愚痴のはけ口として利用されていただけなのかもしれない。まったくもって、愛すべき生徒である。まあ、このぐらいのしたたかさが無ければ、僕の担当にはならないだろうが。

 


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