ぴくし〜のーと あどばんす

物語

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連載[1260] トキワタリ

楽良 ★2011.09/30(金)22:18
序章

車の信号は赤信号だった。
歩行者信号は青信号だった。
だから、オレはフツーに横断歩道を渡ろうとした。
そこに信号無視の大型トラックが突っ込んできて、
何でだか、意外と冷静に、ああ、コレ死ぬわ。なんて思った。

一瞬後に、息が止まる程の衝撃。
次に、全身を稲妻のように激痛が駆け抜けた。
あまりの痛さに、息が止まった。

世界が、まっくらになった。

第1話 一時転生


『キミは、生きたい?』

激痛に焼かれ、千切れそうな意識の中、誰かが問いかけて来る。
死の間際の幻覚か妄想か。
勿論、死にたくない。
だって、オレはまだ16です。

『分かった。きみを助けてあげる。
そのかわり、頼みがあるんだ』

早く、言ってくれ。
死なずに済むなら、何でもするから。

『ぼくの世界を、助けてくれる?』

いいですとも!!
ともかく生き延びて地獄の苦痛から解放されたかったオレは、ロクに聞かずに無我夢中で叫んだ。
瞬間。
まっくらだった世界に、まばゆいばかりの緑の光が広がった。
輝く緑一色で、何も見えないくらいにまぶしかった。
緑以外、何も見えない。
意識が、その光に浄化されるようにうすれてゆく。

オレは最後の気力を振り絞って、問いかけた。
おまえは、だれ。

『ぼくは、セレビィ』
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楽良 ★2010.08/30(月)11:10
第2話 覚醒

全身を鋭く嬲る風を感じた。
ともすれば、肌がそのまま切り刻まれてしまいそうな錯覚に陥る。

恐る恐る、オレは眼を開けた。
最初に視界に入ったのは、刺すように真っ青な空。
その空を縁取るように、太陽の光を受けて白く輝く雲たちが浮かんでいる。
その雲は、エラくでっかく―否、エラく近くに見えた。

「…!?」

空はともかく、雲はどんどん遠ざかっていく。
そして妙な浮遊感。
まるで、落ちているかのようだ。

「…まさか、なァ」

オレは恐る恐る、体を反転させてみた。
しかし、あるべき地面とか床は無かった。
代わりに見えたのは、

「嘘だろ!?」

深く濃い色を湛えた海と、濃緑に覆われた島。
しかも、視界から小さくなっていく雲とは正反対に―逆に、大きくなってきている。

…これはもう、間違いない。
オレは今、現在進行形で地上へ向かってまっすぐに落ちている。
自由落下なぅ!だ。ツイッターでつぶやいてやろうか。

バカなことを考えて現実逃避している間にも、地上が近づいてくる。いや、オレが地上へ近づいていく。
その証拠に最初はただの緑の塊にしか見えなかった島の様子が、だんだんと鮮明になってきた。
おや、自然ばっかりに見えて、実は街があるようだ。
無人島じゃないんだな。あははは、よかったじゃないかユウト。

…と、待てよ。
常識的に考えて、このまま落ちたら、オレ、地面にたたきつけられてグシャッ!てなるんじゃなかろうか。
コレ、実は死亡フラグ?
ついさっき、交通事故で死亡というフラグをへし折ったばっかりなのに、今度は超高度からの落下で死亡ってこと?

「そんなン嫌だあぁ!!」

思わず絶叫した、そのときだった。
耳元に、聞き覚えのある少年の声が響いた。

『だいじょうぶ。きみは、ここでは死なない』

ンな無茶な。どんな奇跡だよソレ?
心の中で問いかけるのと同時に、オレは激しい水音と共に、全身が激しく叩きつけられるのを感じた。
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楽良 ★2011.10/02(日)00:45
第3話 今度こそ覚醒


叩きつけられる衝撃。
水ってこんなに硬かったか?っていうくらいに痛い。
盛大な水の音。

「親方ァ!空から男の人が!」

慌てたような誰かの叫び声がする。
何かどっかで聞いたようなネタなような。
ちょっと違う気もするが。
何はともあれ、オレの意識はそこでブラックアウトした。
…今日は気絶が多い日だ。

「…」

目をあける。
視界に飛び込んできた、白い光。
…ひょっとして、太陽!?
オレはまた落下中なのか!?
あのパラシュートなしの生身のスカイダイビングの恐怖がよみがえる。

「ギャア!!」

恐怖に駆られ、オレは衝動的に勢いよく跳ね起きた。
瞬間。鈍い音と共に、頭に強い衝撃と激痛が走る。

「あべし!」
「ひでぶっ!」

あまりの衝撃に、冗談じゃなく視界に星が飛んだ。
それでも、激痛から意識が現実逃避しようとするのをなんとかこらえる。
もう気絶すんのはこりごりです。

「ツツ…」

ぶつけたところを摩りつつ、周囲を見渡す。
どうやらオレは、ベッドに寝かされていたようだ。
…そういえば、一個悲鳴が多かったような。
恐る恐る見下ろしたベッドの傍。

…艶々と光るフローリングの上。
濁濁と鼻血を吹き流しながら、一人の少年が白目を剥いて横たわっていた。

「…えーと」

どうしよう。
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楽良 ★2012.07/20(金)23:41
第3話 やっぱり異世界?


あ…ありのまま、今起こったことを話すぜ!

交通事故で死に掛けけた後に、

生身の超高高度落下でまた死に掛けて、

目を覚まして体を起こした勢いで一人気絶させたんだ!


…うん、自分で言ってて意味が分からねぇ。

現在、少年は俺と入れ替わりでベッドで眠っている。

あの後、俺は数秒ほどフリーズしていたが、我に返って慌てて少年の親族なりを探して家を駆けまわり、少年の母親に会った。

母親は鼻血を流して倒れている息子を見てびっくりした様子だが、勢いよく起きたら頭突きしてしまったんです、という俺の話を信じてくれた。
普通なら傷害罪で通報されてもおかしくないのに。
…信じてくれてよかった。本当に良かった。

「本当に、ごめんなさい…」
「気にしなくていいのよ。空から落ちたんでしょ?
気が動転するのも無理もないわ」

と少年のお母上−ミサカさんは、は優しく微笑む。
ああ、本当に良い人だ。
この世界に来て、最初に会えたのがこの人で良かった(正確には2番目だが)

…「この世界」と言ったのは、どうやらここは俺が住んでいた「世界」そのものと全く違う場所のようだからだ。

そう思った原因は、生き物だ。

現在、少年−レオンの枕元には、一匹の頭部から背中、尻にかけてが青、正面が黄色い体毛の生き物が陣取っている。
俺とミサカさんがレオンを介抱してる間にどこからともなく現れたそいつは俺を見るなり、「ヒノッ!」と警戒するような鳴き声をだして、あろうことか、背中から炎を噴き出してきたのだ。

俺の世界には、背中から火を出すような生き物なんていない。
そんな生き物が居たら、今頃世紀の大発見!と大騒ぎになっている筈だ。

政府機関か何かが作り出した生物兵器か?とも思ったが、それにしてはこの生き物は普通に家の中でなじんでいたし、ミサカさんも何も言わなかった。というか普通に餌をやっていた。
こんな火を出すような生き物が当たり前に日常にいる世界は明らかに俺のいた世界ではない。

俺はいったい、どんなところへ来てしまったのだろう。

なんてことを考えながら、俺はミサカさんとレオン少年の部屋で何故か優雅にティータイムに突入していた。

「…でも、大丈夫なんですか?病院に連れて行かないで」

鼻血を噴き出すほどの勢いで頭突きを食らわせたのだ。
心配になる。

ミサカさんは、俺を安心させるように微笑んだ。

「大丈夫よ、日常茶飯事ですもの」

何それ。
思わず心の中で突っ込んだその時。

「うぅ…」

目が覚めたのか、レオン少年がもそもそと体を起こした。

「あら、レオンおはよう」

「ここは誰?私はどこ?」

…まだ、意識が定まっていないようだったが。
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楽良 ☆2015.06/01(月)20:11
第4話 おはようございます

とりあえず、レオン少年は何とか正気を取り戻した。

「死んだかと思った」
「すいませんでした」

俺は素直に頭を下げた。
恋ではなかったとはいえ、あの頭突きは確かにやばかった。
だってレオン少年、首があり得ない方向に曲がってたもん。
しかし、レオン少年は首を振った。

「いや、君が」
「へっ」
「だって、あんな高いところから落ちてきて無事なはずないだろ。
水の上とはいえ、普通身体ばっきばきのはず」

言われてみれば確かに。
俺は、白い雲を間近に見る高さから落下したんだ。

「…1つ仮説をあげるとすれば、俺の骨密度が400%とか」
「それどんな状態だよ。ポケモンじゃあるまいし」

ぽけもん?何それ。

「ぽけもんってなんですか」
「へっ?」

レオン少年は眼を見開いた。

「君はポケモンを知らないのか!?」

どうやらオレは、やっぱり異世界にきてしまったようだ。
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