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連載[1275] 銀と蒼と紅と〜イッシュ旅物語〜

鈴光 ★2011.07/21(木)20:57
>『序章』

世界とは単調だ。
あるものは朝起きて朝ご飯を食べ、仕事をし、昼を食べ、また午後の仕事を終えると家に帰り、寝る。
というサイクルを定職までくりかえす。
生まれた時から運命は決まっている、逃れることはできないという話を誰かから聞いた。頓狂な話。わざと決まった道を踏み外せば人生の読者から作者に変わることができるのではないか、できなくてもやって見せよう。
僕は、そう考えた

>第一話『無駄遣いはやめておけ』

「いこうか、凛樺、風詠、…それから、眩季」
呟いたのは銀髪ショートの髪の中性的顔だちをした少女
決して大きな声を出しているわけでもないが、やけに通る高い声を出す自らの喉を震わせ
自分のポケモンと、もう一人
「わかってるって!そんなにせかさないでよー!」
やけに元気な双子の妹の名を口に出した
「早くしてくれ、僕たちが困る、まだ此処にいたいのなら僕等は喜んで置いていくけど」
少女は、無表情で言い放つ
それにツタージャの樺凛とエモンガの風詠も頷いたのだからコイツ等Sなのかもしれない
…Sなのだが
「終わった終わった!」
紙袋を3つも持った眩季が銀髪ショートの少女…柚獲のもとへ走ってきた。
「何をそんなに買ったんだ」
柚獲が眩季を睨みつけながら言うと弦貴はニコッと笑い
「生活必需品!!」
柚獲は紙袋の中身を見て
「生活必需品が…こんなジャラジャラした小物やカチューシャなのか?ん?」
紙袋の中にはブローチやカチューシャ、ブレスレットだらけだった
「…う、うん。そうだよ」
眩季は一瞬答えに詰まったが笑顔で言い放った。ある意味凄いのかもしれない
「なら、毎日この中身の物全部寝る時も朝起きてからもつけて過ごせる?ねぇ?」
柚獲の黒い笑みが弦貴に向けられた。本当に、本当に怖い
「無理無理無理無理!そんなことしたら一日まともに動けない!」
冷や汗をかき全力で首を振った弦貴。柚獲の黒い笑みはまだ続いている
「ならさ、これ全部。返してきてね。返してこないとさっき言った通りのことさせるから」
柚獲の発言を聞いた弦貴は大急ぎで紙袋の中の物を返しに言った。
「3分以内に帰ってこいよー」
おそらく、いや確実に無理であろう難題を眩季に命令すると、走っていく眩季に手を振った
「いやいや無理〜!」
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鈴光 ☆2011.06/27(月)20:54
>第二話『常識なんて覆せ!バトルタイム!』

あれから眩季が凄い勢いで走って帰ってきた
「セーフ!だよね?だよね?」
「ああ、おめでとう!4分遅刻!」
柚獲はビシッと眩季を指さして言った
「…じゃあ、まさか?」
眩季が不安な顔で柚獲に尋ねる
「そう!と、言いたいところだけど、僕が困るから僕等とのポケモンバトルで許してあげる」
柚獲が呆れた顔で眩季を見た
「ホント!ラッキー!じゃ、バトルね!」
ライモンシティから旅にでたばかりの柚獲たちは、まだバトルに慣れていないため、速く慣れたほうがいい。それを配慮してのバトルだった。
ルールはつまり1VS1、バトルフィールドは近くの野原に決まった
「と、言うわけでバトルスタート!いっけ〜!ムム!」
眩季が出したのは色違いのクルミル、気合十分だ
「じゃあ、僕は、let’s go凛樺」
ムムに対し柚獲が出したのは色違いのツタージャ、相性は凛樺のほうが不利だ
『主、自分の出番ですか、頑張らせていただきます』
凛樺はしゃべった、いや正確には柚獲達がポケモンの言葉を聞き取れた。
「え!?柚獲風詠持ってんじゃん!なんで!?」
眩季が驚いて居るあいだに柚獲は
「バトルは始まっているんだよ、凛樺、睨みつける」
『了解です』
凛樺は鋭い目つきでムムを睨みつけた
眩季達は完全に油断していたため技を簡単に受けてしまう
「あ!ちょっと!ムム!体当たり!」
『当たれー!』
見かけににに似合わぬスピードで凛樺に突っ込んでいく
「右に、つるのむちで転ばせて」
『がんばります』
突っ込んできたムムを右によけ、そのままムムの足を払おうとした…が、しかし
「これだ!ムム!つるのむちにつかまって!」
『頑張る!』
こけかけたムムは蔓にギュっと捕まった。
「!振り払って」
『無理そうです…!』
思いっきりムチを揺らすが落ちる気配はない、疲れた凛樺はムチを揺らすのをいったん止めてしまった
「やった!今だ!ハッパカッター!」
不意打ちだったため、モロに攻撃を受けてしまう
「凛樺!大丈夫?」
『何とか…大丈夫です』
凛樺は何とか起き上ったが、ボロボロだ。
「なら、ムムに突っ込んで、体当たり」
『…?了解しました』
凛樺はムムに突っ込んでいく
「?左によけて!!」
『凛姉、こんなの簡単によけれるよ!』
ムムはひょい、とよける、凛樺は、隙だらけ、な、はずだったが
「…からの?ハッパカッター!」
『そういうことですか!』
よけて安心しきっていたためぱっぱカッターはムムの急所に当たる、ムムは目を回して倒れていた
「え!ムム!大丈夫!?」
『…ウェーン!!まけっちゃったよ〜…』
「やった!勝った、有難う凛樺」
『ええ、今日はがんばりました』
柚獲は凛樺をボールに、眩季はムムをボールに戻した
「ちぇ、負けちゃった…バトルしてくれてありがとう柚獲!」
「おう、またやってね」
習うより慣れろ、それはバトルでも同じである
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