ぴくし〜のーと あどばんす

物語

【ぴくし〜のーと メイン】 【テーマいちらん】 【おともだちぶっく】 【みんなの感想】

連載[1296] 黒いヤツらの放浪記

黒神闇仁 ★2012.07/24(火)21:26
第1話「黒い放浪者」

「ここがタマムシシティか。」
夜の12時を過ぎた頃、タマムシシティに一人の男がやって来た。黒いコートと黒い帽子に身を包んだ、不気味な雰囲気のある長髪の青年である。
「ここなら、何か面白いことがあるかもな。」
そう言って街中を歩きはじめた。
彼が何者なのか、何を考えているのか、どんなポケモンを使うのか、それはこれからわかること。

青年が歩いていると、周りから不気味な声がした。
「誰だ?」
青年が振り向くと、暗闇から二匹のゲンガーが現れた。

「野生のゲンガーか。」
青年は身構えた。
「イヒヒヒ…アンタの有り金、全部貰うぜ。」
「喋るゲンガーか。珍しいのもいるもんだぜ。」
青年はボールを投げようとするが、その前に二匹のゲンガーは催眠術を繰り出していた。
このゲンガーたちは人間に催眠術をかけて、相手が眠っている間に手荷物を奪っていく太刀の悪い連中なのだ。
だが、青年は催眠術を食らっても、全く眠気が起きない。

「なにっ!催眠術が効かない!?」
「何しろ俺は滅多に眠らないもんでね。さて、お前らにはお仕置きしてやらねぇとな。いけっ!クロちゃん!」

青年はマニューラのクロちゃんを繰り出した。
「イーヒヒヒ!マニューラか、面白れえ!あやしいひかり!」
二匹のゲンガーから同時にあやしいひかりを食らったクロちゃんは混乱してしまった。

「クロちゃん!俺の目を見ろ!」
青年にそう言われて、混乱しながらも青年の方を見るクロちゃん。青年の赤く鋭い目を見て、クロちゃんはすぐに正気に戻った。

「おい!そんなの有りかよ!」
帽子をかぶっているゲンガーが苛立った。

「さてと反撃だ。クロちゃん、挑発だ!」
クロちゃんは中指を立てて、見るからに挑発的なポーズを取った。

「あんにゃろー!」
二匹のゲンガーはすっかり挑発に乗ってしまった。

「ダブル・シャドーボール!!」
二匹のゲンガーは二匹一緒にシャドーボールを繰り出した。
しかし、クロちゃんは自慢の素早さですぐにそれを交わしてゲンガーたちの前に立った。そして…

「つじぎりだ!」
それぞれのツメでゲンガーたちにつじぎりを食らわせた。

ゲンガーたちはすっかりノックアウトしてしまった。
青年はクロちゃんをボールにしまうと、すぐに立ち去った。

「つ、強い…」
「ア…アンタは…?」

青年は振り返って、こう言った。
「通りすがりの風来坊さ。」
青年は、黒い長髪をなびかせながら去って行った。
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黒神闇仁 ★2012.07/22(日)23:41
第2話「自己紹介」

あれから二匹の喋るゲンガーを倒した青年は、一人で月を見上げていた。その姿は、どこか寂しげである。

「おーい!そこのアンター!」
突然声がしたので青年が振り向くと、先ほどの喋るゲンガーコンビが飛んできた。
なぜか先ほどの闘いでのダメージは回復しているようだった。

「お前らはさっきの…何か用か?」
「さっきのマニューラとアンタのコンビネーションすごかったぜ。」
「俺たち、アンタのこともっと知りたくてさ。」
二匹のゲンガーたちにそう言われ、青年はしばらく間を置いてから言った。
「とりあえず、飯でも食いに行くか。」

青年はゲンガーたちと食堂に向かった。
そして食堂に着き、食事を始めた。
「俺の名はダーケスト。さっきも言ったが、通りすがりの風来坊さ。」
その名前を聞いて、ドッペルがハッとした。
「聞いたことあるぜ。黒ずくめの服を着た凄腕のポケモントレーナー。でもポケモンリーグとかそう言ったもんに一切興味がなくて、一人放浪の旅を続けてるって言う…」
「ま、俺の名前も少しは知られてるみたいだな。」

ゲンガーコンビも自己紹介を始めた。
「俺たちは双子のゲンガー。俺は兄のドッペルで…」
「俺は弟のドッペルさ。」
帽子を被っている方がドッペルで、被ってない方がゾッペルらしい。

「喋る双子のゲンガーか…どうやって喋れるようになった?」
「俺ら、人間の真似してたらいつの間にか喋れるようになったんだぜ。」
ドッペルが得意げに言う。
「さて、そろそろ支払いに…」
そう言って財布の中身と支払い額を確認したダーケストの顔は青ざめた。
「おい、どうしたんだよ…?」
ゾッペルが心配そうに尋ねる。
「…やべぇ…金が足りない…」
実はダーケストはタマムシに来る前に、ヤマブキシティでかなりの金を使い込んでいたのだ。
ちなみに現在のダーケストの所持金は3645円、支払いの額は4560円である。
そんな大事なことを忘れるのもどうかと思うが…

「え〜!?…どうすんだよ?俺たち、飯全部食っちまったんだぞ…?」
焦るドッペルたち。だが…
「逃げるぞ!!」
ダーケストは慌て席を立ち、神速のごとく店から逃げた。
「あ〜!待ってくれよ〜!ダーケストさん!」
ドッペルたちも慌てダーケストを追いかけた。

食い逃げと言う強行手段を取ったダーケストたち。それともはじめから、食い逃げをするつもりだったのだろうか?
あまりの速さに、店員たちが追いかける暇もなかったのであった…
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黒神闇仁 ★2012.07/22(日)23:51
第3話「サイクリングロード」

あれからものすごいスピードで食堂から逃げてきたダーケストたち。
「ポケモンバトルに食い逃げ。やっぱアンタただ者じゃねぇな。尊敬するぜ。」
ドッペルはダーケストを尊敬し始めていた。しかしポケモンバトルはわかるが、食い逃げは尊敬する所なのか?
「ところでダーケストさんはどこに向かってんの?」
ゾッペルが訪ねた。
「セキチクシティだ。あそこへ行くにはサイクリングロードを越える必要がある。」
そう言ってサイクリングロードに向かうダーケスト。そしてその後を追うドッペルとゾッペル。

サイクリングロードに着くと、ダーケストはさっそくバイクをレンタルした。
しかし外に出ると、そこには何人もの暴走族がひしめきあっていた。
暴走族たちはダーケストたちの姿を見た途端、一斉に絡んできた。
「おい兄ちゃん、ワリぃけど金くれねぇか?俺ら、マジで金がねぇんだよ。」
1人のスキンヘッドが言った。
「悪いが今は金がない。もしあっても、お前らなんかに渡すわけねぇだろ。」
ダーケストはすかさず言い返した。
「けっ、いい度胸してやがる。ボコボコにしてやりてぇ所だが、まずはコイツで勝負だ。いけっ!マタドガス!」
スキンヘッドはマタドガスを繰り出した。
「ふっ、そう来なくっちゃな!いけっ!クロちゃん!」
ダーケストが繰り出したのは、先ほどのクロちゃんである。

「おう!さっき俺らをボコにしたマニューラのクロちゃんだぜ!」
興奮し始めるドッペルたち。
「マタドガス!ヘドロこうげきだ!」
スキンヘッドのマタドガスはヘドロこうげきを繰り出すが、クロちゃんはすかさずヘドロこうげきを交わし、マタドガスの前に立つと…
「れいとうパンチだ!」
れいとうパンチの一撃で、マタドガスを倒してしまった。

「この野郎…!ナメやがって…!」
他の暴走族たちが動揺し始めると、奥の方から、いかにも凶悪そうな厳つい巨漢の男が現れた。
「俺はこのチームの首領(ヘッド)だ。俺とポケモン勝負して勝ったら、ここを通してやってもいいぜ。」
「ふっ、望む所だ。」
「1対1も悪くねぇが、ダブルバトルと行こうじゃねぇか!」
暴走族の首領はダーケストにダブルバトルを申し込んできた。
「いいだろう。」
ダーケストもそれを承諾し、一旦クロちゃんをボールに戻した。
「出て来い!カイリキー!ベトベトン!」
暴走族の首領が繰り出したのは、カイリキーとベトベトンだ。
「俺はこの2体で行くぜ!いけっ!パイア!シャドウ!」
ダーケストはクロちゃんではなく、クロバットのパイアとブラッキーのシャドウを繰り出した。

「すげぇ、今度はクロバットとブラッキーだぜ!」
再び興奮し始めるドッペルたち。

ダーケストvs暴走族の首領!果たして…?
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黒神闇仁 ★2012.07/22(日)23:56
第4話「ブラックドリフターズ結成!」

「カイリキー!ブラッキーにクロスチョップだ!」
暴走族の首領の指示により、カイリキーはクロスチョップを繰り出すも…
「かげぶんしん!」
シャドウのかげぶんしんにより、攻撃を外した。
「パイア!カイリキーにつばめがえしだ!」
隙のできたカイリキーにパイアがつばめがえしを食らわせ、カイリキーは倒れた。
「ベトベトン!ブラッキーにどくどくを食らわせてやれ!」
ベトベトンはどくどくを繰り出すも、回避率の上がったシャドウには当たらなかった。
「パイア!いばるだ!」
パイアのいばるによってベトベトンは混乱し、自分で自分を攻撃した。
「おいベトベトン!なにやってんだ!」
「今だ!シャドウ!サイコキネシスだ!」
シャドウはサイコキネシスを繰り出し、ベトベトンを倒した。
暴走族の首領との勝負に勝ったのだ。
「よっしゃ!ダーケストさんが暴走族のボスに勝ったぜ!」
ダーケストの勝利に大喜びするドッペルとゾッペル。

「約束通り、ここを通してもらうぜ。」
「…さっさと行っちまえ!」
暴走族の首領は不機嫌そうにソッポを向いた。

ダーケストはバイクのエンジンをかけて、下り坂を下りていった。
しかし相変わらず、ドッペルたちは後をつけて来る。
「お前ら、一体どこまで付いて来るつもりだ?」
「俺たちダーケストさんに惚れこんじまってさ。だから俺たちをダーケストさんのポケモンにしてくれよ。」
「それから、ダーケストさんのことは旦那って呼ばせてくれよ。」
ドッペルたちの頼みに、ダーケストは長い下り坂を下りてから言った。
「ま、ゲンガーはいても悪くねぇか…」
ダーケストはモンスターボールを2つ取り出すが…
「ちょっと待ってくれよ。俺ら、モンスターボールには死んでも入りたくねぇんだ。だから、旦那に直接付いて行きてぇんだ。アニメのピカチュウみたいにさ。」
ドッペルにそう言われて、ダーケストはボールをしまった。
「わかった、そのまま付いて来い。ただし、あんまりうるさくするなよ。」
ダーケストはドッペルたちの同行を許してくれた。

「よっしゃ!今日から俺たちは旦那のポケモンだぜ!」
大喜びのドッペルたち。

「そういや旦那の異名は「黒い放浪者」だったよな?だったら3人合わせて、「ブラックトリフターズ」ってのはどうだ?」
ドッペルがチーム名を提案した。
「ブラックトリフターズか…いいぜ、決まりだ!」
ゾッペルもチーム名が気に入ったようである。

「けっ、まぁいいや…いくぞ、ドッペル、ゾッペル。」
「へい、ダーケストの旦那!」
「ブラックドリフターズの旅の始まりだぜ!」

こうして、ブラックトリフターズと言うチームを結成し、共に放浪の旅をすることになった3人。
そして彼らは、セキチクシティへと向かった。
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黒神闇仁 ★2012.07/24(火)21:28
第5話「ミニリュウ釣り・前編」

一行はサイクリングロードを超え、無事にセキチクシティに到着し、その場で野宿をした。
そして翌日、ダーケストは銀行に行き、口座から50万円も下ろした。
「そんなに金あんなら、なんで食い逃げなんかしたんだよ?」
ゾッペルが咎めるように言った。
「だってあの時は有り金が足りなかったし、土下座して謝るのもカッコ悪いだろ?」
ダーケストは食い逃げしたことを反省する様子は全くない。

一行はとりあえず銀行を出た。
「さて、どこに行くか…」

ダーケストはそう言って、周りを見回した。すると、ドッペルが何かを見つけた。
「旦那、あそこで女の子が釣りしてるぜ。」
ドッペルが指差した方向には、小さな川で金髪の少女が釣りをしている。
「アイツ、あんなところで何釣ってんだ?」
ダーケストはその少女のことが気になって、声をかけた。

「よう。」
女の子は突然後ろから声がして、驚いて振り向いた。そしてダーケストを見るやいなや叫んだ。
「キャーッ!ヴァンパイアー!!」
「誰がヴァンパイアだ!?」
しかしダーケストの格好は、吸血鬼と見間違えるほどに不気味であることは確かである。

「なんだ、ホントに吸血鬼かと思ったじゃない…おどかさないでよ。」
少女は少し落ち着いたようである。

その少女は近くで見るとかなりの美人で、美しい金髪と透き通った蒼い眼を持っていた。年齢は17〜18歳くらいだと思われる。
その美貌にダーケストも思わず見とれそうになった。
「お前、何釣ってんだ?」
「セキチクシティでミニリュウが釣れるって聞いたの。でもコイキングとトサキントしか釣れないわ。」
少女は釣りをしながら言った。

「こんな川にミニリュウが住んでる訳ねぇだろ。」
ダーケストは皮肉っぽく言う。
「じゃあどこに行けば釣れるの?」
「あそこだ。サファリゾーンならミニリュウがいるはずさ。」

サファリゾーンは知っての通り、セキチクシティで経営している珍しいポケモンを条件付きで捕まえられる施設である。

「お兄さん、ミニリュウ捕まえるの手伝ってくれる?」
「は?何で俺が?」
ダーケストは断ろうとするが、その少女を見ていると何故か断る気が失せてしまった。

「いいだろう。ただし、俺は見て指示するだけだからな。捕まえるのは自分でやれ。」
こうして一行は少女と共にサファリゾーンへ同行し、ミニリュウ釣りを手伝うことになった。

「まずミニリュウを釣りたきゃ、この釣竿を使え。」
そう言ってダーケストはどこからともなく「すごいつりざお」を取り出し、少女に渡した。

「サファリゾーンのポケモンはまず、石を投げるのが肝心だ。そうすれば捕まえやすくなる。だがほどほどにしないと逃げちまうからな。気を付けろよ。」
「うん、わかった。」
少女はダーケストから借りた「すごいつりざお」を使って釣りを始めた。

するとさっそく、何かが釣竿にかかった。
しかし釣れたのはコダックだった。
「なんだ、コダックか…」
少女は少しガッカリしてしまった。

「まぁ、必ずしもミニリュウが釣れるとは限らねぇからな。気長に待つことさ。」
ダーケストはそう言って、本を読み始めた。
ドッペルとゾッペルはすっかり忘れ去られてしまっている。

果たして、少女はミニリュウを釣ることが出来るのか…?
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黒神闇仁 ★2012.07/24(火)21:29
第6話「ミニリュウ釣り・後編」

釣りを始めてから、実に1時間が経過していた。その間にも何匹かは釣れたが、肝心のミニリュウは一回も釣れていない。

「あー、なかなかミニリュウ釣れないなぁ…」
少女がだるそうにしていると、釣竿が引いている。

「おい、引いてるぞ。」
ダーケストに言われてハッとした少女は、あわてて釣竿を引いた。すると、ついに念願のミニリュウが釣れた。
「やった!ミニリュウだ!…で、どうしたらいいんだっけ?」
「まず石だ、石を投げろ!」

「ミニリュウちゃん、ゴメンね。」
少女は申し訳なさそうにミニリュウに石を投げた。ミニリュウは痛そうな顔をした。
「よし、次はボールだ!」
ダーケストに言われ、サファリボールを投げる少女。

ミニリュウの入ったボールは点滅していたが、しばらくして点滅が止まった。

「やった!ミニリュウちゃんGET!」
ミニリュウをゲットした少女はとても嬉しそうである。
(コイツ、なんか見てて癒される。)
少女を見ていてそう思ったダーケストであった。

ミニリュウを無事に捕まえた一行はサファリゾーンを出た。
「お兄さん、ありがとう。」
「ま、大したことねぇよ。」
並んで歩く二人に、後ろから静かに付いてくるドッペルたち。
「私はレイラ。世界中の可愛いポケモンを集めるのが夢なの。お兄さんの名前は?」
「ダーケスト。通りすがりの風来坊さ。」
相変わらずクールな自己紹介をするダーケスト。

そんな時、レイラはふと後ろを振り向いて言った。
「そう言えばさっきからダーケストさんの後を付いて来てるゲンガーたちがいるけど、あの子たちはダーケストさんのポケモン?」
そう言われて、ようやくドッペルたちは口を開いた。
「いやー、旦那と姉さんがいいムードだったもんで、喋らないでいたぜ。」
「でも邪魔しなくて正解だったな。」
突然喋り出したドッペルたちに、目を丸くするレイラ。
「すごーい!喋ってるー!可愛いよ〜」
いきなりドッペルたちに抱きつくレイラ。どうやら彼女は可愛いものや気に入ったものを見ると我を忘れてしまうらしい。
「出来ればもらって欲しいもんだぜ。」
皮肉につぶやくダーケスト。
「旦那ひでえよ!俺たちはブラックドリフターズじゃなかったのかよ」
ダーケストの皮肉にショックを受けるドッペル。

「じゃ、俺たちは行く。じゃあな。」
「うん、また会えるといいね。バイバイ。」
ダーケストたちを見送るレイラ。

しばらく歩いてからドッペルが言った。
「旦那、なんかあの娘と良いムードだったじゃん。」
「けっ、うるせえよ。」
ドッペルに冷やかされてソッポを向くダーケスト。しかし、本当の所はレイラのことが気になっていた。
(またアイツとどっかで会えねぇかなぁ…)
そんな期待を胸に抱くダーケストなのだった。
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黒神闇仁 ★2012.07/24(火)21:31
第7話「ゲンガー・ザ・バトル」

あれから一行が向かったのは海。セキチクシティとグレンタウンの間の海だ。
「海といえば海水浴だぜ。」
ドッペルは泳ぐ気満々であるが…
「いや、あいにく俺は金づちだからな。目的地はグレンタウンだ。」
金づちというダーケストの意外な弱点が発覚した。

「さて、グレンタウンに…」
そう言いかけた時、1人の海パンヤロウが近づいて来た。
「お前、ポケモントレーナーだろ?」
「だったらどうする?」
「決まってんだろ、ポケモンバトルさ!」
海パンヤロウはダーケストにポケモンバトルを挑んで来た。
「ルールはお互い2対2のダブルバトルだ。」
「わかった。」
「行けっ!パルシェン!ニョロボン!」
海パンヤロウはパルシェンとニョロボンを繰り出した。

「さて、どれで行くか…」
ダーケストがボールを出そうとすると、ドッペルとゾッペルがダーケストの前に立った。
「今日は俺らに闘わせてくれよ。俺らだって、一応旦那のポケモンだしな。」
「旦那は後ろで指示しててくれ。」
ドッペルたちは自分たちが足手まといではないことを証明したいらしい。
「わかった、行って来い。」
ダーケストはドッペルたちを闘わせることにした。

こうして、海パンヤロウのポケモンたちと闘うことになったドッペルとゾッペル。
「パルシェン、帽子のゲンガーにつららばり!ニョロボン、もう片方のゲンガーに催眠術!」
海パンヤロウのパルシェンは、ドッペルにつららばりを繰り出し、ニョロボンはゾッペルに催眠術を繰り出した。
「当たらねぇよ、そんな攻撃!」
ドッペルは素早い動きでつららばりを交わした。
「これでも催眠術のつもりか?」
ゾッペルは催眠術にはかからなかった。

「ドッペル、パルシェンにあやしいひかり!ゾッペル、お前はニョロボンに催眠術をやり返してやれ!」
ダーケストの的確な指示に、ドッペルとゾッペルはそれぞれに指示された技を繰り出す。
パルシェンは混乱状態となり、ニョロボンは眠ってしまった。

「やはり、ゲンガーはこういう技が売りだな。」
ふとつぶやくダーケストだが、すぐに次の指示に移る。
「ドッペルはパルシェンにシャドーボール!ゾッペルはニョロボンにゆめくいだ!」
ドッペルのシャドーボールはパルシェンの急所に命中し、ゾッペルのゆめくいはニョロボンから体力を吸収した。
海パンヤロウのパルシェンとニョロボンは戦闘不能となった。

「やった…俺ら初めて旦那の指示で闘ったぜ!」
無駄に喜ぶドッペルとゾッペル。その姿はダーケストの目にも少し微笑ましく見えた。
「お前ら、結構強いじゃねぇか。」
ドッペルたちを誉めるダーケスト。
「そうだろ?俺らだってやればできるのさ。」
「これで俺らは本当の意味で旦那のポケモンになったんだな。」

今回のバトルで、3人(1人と2匹)の絆は深まったようである。
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黒神闇仁 ☆2012.09/02(日)09:49
第8話「クイズ対決」

あれから、海パンヤロウに勝利した一行。

「さて、グレンタウンに行くとするか。行けっ、ドラク!」
ダーケストが繰り出したのは、ボーマンダのドラク。

「すげぇ!ボーマンダだぜっ!こっちじゃなかなかお目にかかれねぇからな。」
ドッペルたちが驚いているのもつかの間…

「おい、早く乗れ。置いてくぞ?」
ダーケストは既にドラクに乗って出発しようとしていた。

「あ〜!待ってくれよ旦那〜!」
ドッペルたちも慌ててドラクにしがみ付いた。

ドラクが海岸を出発してからしばらくして、グレンタウンに到着した。
「なぁ、旦那。こんな小さな町に何の用があるの?」
ゾッペルが尋ねた。
「ここは有名なあのクイズオヤジが住んでる町だからな。ソイツに会いたい。」

ダーケストが向かったのは、グレンジム。
「恐らく、ここに噂のクイズオヤジがいる。」
ダーケストたちはジムに入って行った。

ジムの中には眼鏡でヒゲでハゲ頭の男が立っていた。
「アンタがクイズオヤジの「ヅラ」か?」
ダーケストは男に向かっていった。
「ヅラではない!「カツラ」だ!…それはともかく、いかにも私がグレンジムのジムリーダーにしてクイズオヤジと名高いカツラだが?」
「アンタとクイズ勝負をしたい。互いにクイズを出し合って、一問でも間違えた方が負けっていうルールはどうだ?」
ダーケストはポケモン勝負ではなく、クイズ勝負というバカげた勝負をカツラに申し込んだ。

「いいだろう!その挑戦受けて立つ!」
クイズオヤジとしてのプライドなのか、カツラもクイズ勝負を断らなかった。

まず先行はダーケストから。
「アニメのサトシは今何歳?」
「25歳だ!」
「正解。」
サトシが1997年に10歳であれば現在(2012年)では25歳になっているはずである。

カツラのターン。
「こおりタイプの技の中で最強の技と言えば?」
「ぜったいれいどだろ?」
「正解だ。」
一撃必殺技である「ぜったいれいど」は事実上最強のこおりタイプの技である。

ダーケストのターン。
「フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガム。ライバルが確実にオーキドから貰うのは?」
「イーブイだ!」
「正解。」
ピカチュウバージョンではライバルは確実にイーブイを貰う。

カツラのターン。
「ロケット団、マグマ団、アクア団。人に向かって破壊光線を打ったのは?」
「ワタルに決まってんだろ。」
「正解だ。」
金銀では有名なあのシーンのことである。ちなみにR団、M団、A団が人に向かって破壊光線を打つような描写は見られない。

互いに引っかけ問題ばかりを出しているが、互いに迷わずに答えている。

そしてダーケストのターン。
「わざマシン28の中身と言えば?」
「しねしねこうせんだっ!…あっ、しまったっ!」
カツラは慌てて口を押さえた。

「昔、アンタが使ってた「わざマシン28の中身はしねしねこうせん」っていう問題を逆手に取ったのさ。」
ダーケストに昔使ってた問題を逆手に取られたのだ。

「まさか私がクイズで負けるとはな。」
「けど面白かったぜ。じゃあな。」

ダーケストたちはそう言ってジムを後にした。
ダーケストの自由奔放ぶりはこれからも遺憾なく発揮されることだろう。
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黒神闇仁 ★2012.09/02(日)13:25
第9話「マサラタウンの少年」

カツラとバカげたクイズ対決に勝利したダーケスト。

「旦那、まさかあのオヤジとクイズ対決するためだけにわざわざグレンタウンに来た訳?」
ゾッペルが呆れたように言う。

「俺は面白けりゃ何でもするのさ。」
ダーケストがえらく上機嫌なので、ゾッペルもそれ以上言う気にはならなかった。

「さて、あっちの方向にマサラタウンがあるからな。行ってみるか。」

そう言って、一行はボーマンダのドラクに乗ってマサラタウンに向かった。

マサラタウンはポケットモンスターの「はじまり」ともいうべき小さな町。かの有名なオーキド博士の研究所もこの町にあるのだ。

ダーケストはマサラタウンに着くとリラックスして、草むらに寝そべった。
「お前らもしばらく遊んでろ。」
ダーケストはドッペルたちにそう言うと、昼寝を始めた。
10秒も経たない内にダーケストは眠りに入っていた。
ついでにと言わんばかりにドッペルたちもその場で昼寝を始めた。

しばらくしてダーケストが目を覚ますと、どこかで見覚えのある赤い帽子を被った少年がダーケストの隣に座っていた。
「よう。アンタ、旅のトレーナー?」
少年はダーケストに尋ねた。

「あぁ、そうだ。お前は?」
「俺もトレーナーさ。俺はこの町の出身なんだ。久しぶりに帰って来たけど、やっぱりここは他の町とは空気が違うよ。色んな町を回って来たけど、俺は故郷のこの町が一番好きだな。」
少年は笑顔で言った。ダーケストはその少年に、どこかカリスマ性を感じた。
「そうか…」
ダーケストは静かに反応した。

「アンタってポケモンリーグとか目指してたりする?」
「いや、そういうのには興味ない。俺は自由主義だもんでね。もっとも、ポケモンバトルの挑戦は受けるがな。」
ダーケストは強い相手と戦うことよりも自由を求める人間なのである。

「そっか。でもアンタ、きっと強いんだろうな。じゃ、俺そろそろ行くよ。今度会ったらバトルしようぜ。」
そう言って少年は去って行った。

「そういや、アイツの名前聞いてなかったな…」
ダーケストは少年の名前を聞こうとしたが、もう少年の姿は見えなくなっていた。

その時、ダーケストは思い出した。マサラタウンは「とあるポケモントレーナー」の出身地であることを。

「もしかしたらアイツが…」
ダーケストは空を眺めながらつぶやいた。

しばらくして、ドッペルたちも目を覚ました。
「旦那…昼寝も済んだし別のとこ行こうぜ。」

「そうだな、トキワにでも行くか。」
一行はマサラタウンを後にした。
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みんなの感想

この物語に感想を書こう。みんなの感想は別のページにまとまってるよ。


物語のつづきを書きこむ

ここにつづきを書けるのは、作者本人だけです。本人も、本文じゃない フォローのコメントとか、あとがきなんかは、「感想」のほうに書いてね。

物語ジャンルの注目は、長くなりがちなので、いちばんあたらしい1話だけの注目に なります。だから、1回の文章量が少なすぎると、ちょっとカッコわるいかも。


状態(じょうたい)

あんまりにも文字の量が多くなると、 ()み具合によっては エラーが出やすくなることがあるよ。ねんのため、 本文をコピーしてから書きこんでおくと、エラーが出たとき安心だね。

シリーズのお話がすべて終わったら「終了」に、文字数が多すぎるために テーマを分けて連載を続ける場合は「テーマを移動して連載」(次へ)に 状態を切り替えておいてね。この2つの状態の時に、「次の作品に期待」 されて感想が書き込まれると、次のテーマが作れるようになります。

ちなみに「次の作品に期待」をもらって「完結」や「続く」になってる作品を 「次へ」「終了」に変えることもできるけど、その場合、次のテーマを 作るためには、もう一度「次の作品に期待」が必要になります。

しばらくお話の続きが書けなくなりそうな場合は「一時停止」にしておいてね。 長い間「一時停止」のままの物語は、Pixieの 容量確保(ようりょうかくほ) のため消されることがあるので、自分のパソコンに 保存(ほぞん)しておこう。

やむをえず、連載を 途中(とちゅう)で やめる場合は、凍結をえらんでね。ただし、凍結をえらんでも、次の物語が 書けるようにはなりません。感想をくれた人や、次回を楽しみにしてた人に、 感想 で おわびしておこう。


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