「痛み」は身体の火災報知器

さぁ〜て、予告どおり今回は『痛み』や。
● 『痛み』、みんなも嫌やろ?と〜ぜん河井も嫌や。
● 「ビシバシ、あァ〜ん」なんちゅうマゾの気ぇはあらへん。
● そやけど、そやけどや。
● 『痛み』いう『現象』は存在する。
● 嫌やけど存在するんや。
● なんべんも言うけど『人間の身体にはいっさいムダはあらへん。』。
● ムダがないちゅうことは「痛みいうのんも『身体には必要な現象』や。」いうことなんや。
● 前回「『炎症は損傷修復機点である。』、簡単にいうたら『今ここで傷を修理(なお)してるてことや』ゆうて、『病理学』ていう医学の基本の基本の基本の基本の、病気の理屈の学問の教科書の一番初めにハッキリ書いてある。」て言うた。
● そやのにウチ等の同業者はなんで「炎症があるから悪い。」て言うんやろ?ていう疑問もつけといた。
● この理由はたぶんこういうことやろと思う。
● この『病理学』の教科書の中に『炎症の定義』、要するに「炎症てこんな現象のことを言うんでっせ!」ちゅうのんが書いたある。
● どんなんか言うたら「『発赤』『局所熱感』『腫脹』『疼痛』、この四つの症状があることを『炎症』という。」ていう文句や。
● そやから、紅こうて熱うて膨らんどって痛かったらそこは『炎症』してるんや、て言うてるわけや。
● このうち「紅い」は「血ぃの紅さ」、「熱い」は「血ぃの熱さ」、「膨らんどる」いうのんは「流れ込んでくる血ぃが多すぎて出ていくのんが追いつかへんから溜まって膨らむ」んや。
● これてどれも「血ぃの循環が良うしたいさかい起こってしもた『現象』や」いうんはすぐわかるやろ?血液の循環が良えいうことは良え血ぃがすぐに来てくれるいうことや。● 新陳代謝、つまり自然治癒力にとってはごっつう善えことなんや。
● 前回の話で言うたら、ガードマンを連れてきたり、職人に給料とか差し入れとか持ってきてくれるのんが血液の仕事なんや。
● ここまではもう解かるやろ?
解っとるわな?
解ってぇや〜。
● さて今回の本題にはいる。
● ほんなら残った『痛み』て何や?
この問いに対して我が不肖の師匠、天才リウマチ医者「山内寿馬」はこう答えた。
  「すべての痛みは『虚血』である!」。
● 『虚血』、つまり血液が通わへんようになって、身体のある部分が血液不足になることや。
● 『血液不足』、これはエライこっちゃ!
  前にも言うたかも知らへんけど、血液の大きな役目いうのんは『酸素』と『栄養分』を身体の細胞一匹いっぴきに届けることや。
● 一匹一匹の細胞いうのんは生きとる。
● 生きとるいうことは「息もしとる」し「飯も食う」。
● その「息する」のんに必要な『酸素』とか、新陳代謝するための材料である『栄養分』を運んでくれとるんが血ぃなんや。
● そやから血液がとどこおって酸素不足になるいうことは、身体にとってごっつう大変なことなんや。
● かわいそうに細胞さんは窒息死や。
● そやから身体にはくまなく酸素センサーがはりめぐらされて、神経で脳につながってて、いつでも酸素不足つまり血液不足をモニターしとるんや。
● 当然の準備や。
● 火災報知器みたいなもんや。
● ほんなら『痛み』て何や?
  細胞が「息が苦しい!助けてくれ〜」いうて叫んどるんや。
● 例えて言うたら非常ベルが鳴ってるんや。
● 主が気ぃついてくれへんかったらエライことなってまうよって、一番キツうて思いっきり嫌な症状の『痛み』で教えてくれるようになってるんや。
● 『痛み』いうんはゴッツうありがたい『警告』なんやで!
  そんで非常ベルが鳴ったらどないなるかいうたら、消防車とか救急車がサイレン鳴らして駆けつけて水かけはじめるやろ。
● 下手したらパトカーまで来よるし野次馬も集まってきて大騒ぎや。
● これが『炎症』いう出来事なんや。
● この騒ぎだけみたら火ぃは燃えとるし水びたしやし普通やないしうるさいし近所迷惑な話や。
● そやけどや、大騒ぎになったから火事になったんやないやろ?
火ぃが出たから火災報知器がはたらいて、非常ベルが鳴ったさかい火ぃを消すために大騒ぎになったんやないか。
● 大騒ぎにならへんかったら燃えてまうやないか!
  火ぃが出るんが先で大騒ぎが後なんや。
● 『痛み』も一緒や。
● 「酸素不足」が起こるさかい「血液の循環」を良うせんとアカンのやろ?
「酸素不足」が先で「血液循環が良うなる」んが後なんや。
● 言いかえたら『痛み』が先で『炎症』が後なんや。
● ほんなら『病理学』の教科書に出てた『炎症の定義』の四つの症状のうちの『痛み』いうのんだけは別もんやいうんがわかるやろ?
  『痛み』を解消するために血液循環を良うしてることを『炎症』て言うんや!
  『炎症』がおこったから痛なったんとちゃうんや!(次も痛みや。) 


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